鞭毛虫類(読み)べんもうちゅうるい

精選版 日本国語大辞典 「鞭毛虫類」の意味・読み・例文・類語

べんもうちゅう‐るい【鞭毛虫類】

  1. 〘 名詞 〙 原生生物界の一亜門。植物性鞭毛虫綱、動物性鞭毛虫綱の二綱に分類される。前者葉緑体をもち、ほとんどが海水淡水中のプランクトンであるが、後者寄生性のものが多く、中には有害なものもある。鞭毛藻類

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「鞭毛虫類」の意味・わかりやすい解説

鞭毛虫類
べんもうちゅうるい

原生動物の肉質鞭毛虫門鞭毛虫亜門Mastigophoraを構成する単細胞生物群。約6900種が含まれる。栄養期の細胞は1本から数百本の鞭毛をもち、独立栄養または浸透性あるいは捕食性の従属栄養を行い、胞状核で縦分裂を行うことが特徴。体長1マイクロメートルから2ミリメートルまで。鞭毛は通常体の前端より生じ、側毛の有無で鞭(むち)型と羽型鞭毛とに区別するほか、舵(かじ)取り用、先端のみを動かすもの、波動膜をもつもの、異長のものなど、種々の分化がみられる。体表は薄い外皮で変形しやすく擬足(仮足)を出すものから、セルロース質の厚い細胞壁をもつもの、さらに外側にゼラチン様外被、殻、甲板、襟などの複雑な保護構造を分泌する種まである。二分裂のほか出芽や多分裂もみられ、多核体や群体をつくったり、生活史の一部にアメーバ期が規則的に出現するもの、パルメラ期という特殊な増殖期をもつものもある。有性生殖は少数の種で知られている。淡水から海水まで広く浮遊生物として出現し、陸上では土中コケの上、雪や氷上、温泉の中にまで生息する。動植物に寄生または共生し、医学や獣医学で重視される種もある。

[石井圭一]

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最新 地学事典 「鞭毛虫類」の解説

べんもうちゅうるい
鞭毛虫類

学◆Flagellata, Mastigophora 英◆flagellates

1本またはそれ以上の鞭毛をもち,それで運動する単細胞生物群の総称色素体を有し光合成を行う独立栄養性の群と,他の微小生物や有機物を捕食する従属栄養性の群,さらに他の動物の消化器官生殖器官血液に寄生する寄生性の群がある。化石として残りうる鉱物質の殻や骨格をもつ種類は,エブリディアン・珪質鞭毛藻類などである。最近では,このグループに有機質の殻を備えた休眠細胞を形成する種類のあることが明らかになり,それらも化石として産することが知られるようになった。渦鞭毛藻シストや黄金色藻類がその例である。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鞭毛虫類」の意味・わかりやすい解説

鞭毛虫類
べんもうちゅうるい
Mastigophora; flagellate

原生生物界に属する鞭毛をもつ生物の総称。体長 0.001~2mm。鞭毛をもち,これを動かすことによって運動するが,鞭毛数は 1本から多数までいろいろある。また生活史の一部において,たとえば被嚢などにより非運動的な状態になるものもある。葉緑素その他同化作用に関係ある色素をもち,自律的な栄養摂取をする植物性鞭毛虫類と,色素をもたない動物性鞭毛虫類に大別される。前者は後者より構造が複雑である。ほとんどが二分裂による生殖を行なうが,まれに出芽,複分裂も行なう。淡水から海水までプランクトンとして出現したり,土中にすむが,大部分はいろいろな動物の体腔,血液,消化管内などに寄生する。

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