オリヅルラン(読み)おりづるらん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オリヅルラン」の意味・わかりやすい解説

オリヅルラン
おりづるらん / 折鶴蘭
[学] Chlorophytum comosum (Thunb.) Jacq.

ユリ科(APG分類:キジカクシ科)の多年草で、南アフリカに分布する。栽培が多いのは、葉縁に白斑(はくはん)の入る園芸品種cv. Variegatumで、一般には本種をオリヅルランとよんでいる。葉の中央に黄白色斑の入る品種cv. Vittatumは緑が多く、暗い感じがする。ランの仲間と間違えられやすいが、花の構造がまったく違い、ラン科の植物ではない。下垂するストロン新株をつくるようすが折り鶴を想像させる。ストロンはほとんど出さないが、葉の幅が広く、中央に幅広く黄白色斑の入る品種cv.Picturatumもよく栽培される。シャムオリヅルランC. laxum R.Br.(C. bichetii Backer)は小形で葉質が薄く、寒さにも弱い。株分け、実生(みしょう)、新株の挿木で殖やす。5℃以上あれば越冬する。根は多肉質で乾燥に強い。

[高林成年 2019年3月20日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オリヅルラン」の意味・わかりやすい解説

オリヅルラン(折鶴蘭)
オリヅルラン
Chlorophytum comosum

ユリ科の多年草で,南アフリカ原産。日本では,特に斑 (ふ) 入りの品種が観葉植物として広く栽培されている。葉は細長い線形で幅1~2cm,長さ 20~40cmになる。斑入りのものでは縦に白い筋が入る。葉の間から伸びる長いランナー (匍匐枝) の途中から気根出し,その部分から幼植物を生じて繁殖する。春に長い花茎を出し,総状にまばらに白い6弁の小花をつける。

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