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斑入り ふいりvariegation

翻訳|variegation

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

斑入り
ふいり
variegation

植物で,もともと同一色であるべき組織が2種以上の違った色に見える場合をいう。葉,茎,花弁などいずれの器官でもみられるが,葉に多い。観賞用として珍重されるものもある。入りの原因には細胞学的には色素体の異常によるもの (オシロイバナなど) ,細胞間隙によるもの (レックスベゴニアなど) ,表皮細胞の異常によるもの (ミヤマカタバミ) ,部分的な枯死によるもの (クマザサ) がある。また遺伝子や環境要因によるものもあるが,いずれの場合にせよ斑の部分の細胞は,地色の部分の細胞と含有色素の構成が異なる。

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デジタル大辞泉の解説

ふ‐いり【斑入り】

地の色と違った色がまだらにまじっていること。また、そのもの。植物では葉・花びらなどにみられる。

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世界大百科事典 第2版の解説

ふいり【斑入り variegation】

植物の葉はふつう緑一色のものであるが,2種類以上の色でできている場合を斑入りという。葉の組織の一部に葉緑体のない組織が入りこんだり,他の色素に置き換わった組織が入ったりすると,葉面に白い筋や斑点が生じたり,色がまだら模様になったりする。それが,オシロイバナのように細胞質遺伝に支配されたり,いろいろの園芸品種にみられるように核遺伝子に支配されたりすることもあるが,ウイルスなどに感染して斑入りになる場合もある。

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大辞林 第三版の解説

ふいり【斑入り】

地の色に他の色がまだらに混じっていること。植物では、クロロフィルの欠失や表皮細胞の変形などが原因となり、葉・茎・花などに生ずる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

斑入り
ふいり

植物において、普通ならば均一な色を呈する部分のなかに、色の異なる小部分が存在して模様をなす現象。葉は一般に均一な緑色であるが、部分的に白色や黄色となっていることも多いし、赤、紫、橙(とう)色などの模様が入っていることもある(コリウス、ハゲイトウ、クズウコンなど)。また、葉以外の花弁、茎、種皮などにも斑入りの例がある。斑入りの植物は天然にもいろいろ存在するが、美しさと珍しさのために園芸植物として栽培されるものが多い。
 斑の入り方にはいくつかの型があり、園芸界では各型に名がつけられている。すなわち、周辺部だけが異色となる覆輪、縦縞(じま)の模様をなす条斑(すじふ)、直線的な境界線によって二色に大別される切斑(きりふ)、やや不規則な境界線によって何本かの横縞ができる虎斑(とらふ)、細かい異色部が斑点(はんてん)状に散在する散斑(ちりふ)などである。斑入りの生ずる機構としては、クロロフィルを欠く部分が白色となる、クロロフィル以外の色素の分布で異色を呈する、色素は正常であるのに表皮の下に豊富な細胞間隙(かんげき)が存在したり表皮細胞が巨大化するなどの変形によって反射光線ではその部分が白などの異色にみえるなどのほか、これらの複合があげられる。また、斑入りの原因としては、ウイルスの感染や温度・光などの環境条件もあるが、むしろ遺伝的なものが多い。遺伝的な原因のなかには、核内遺伝子によってメンデル式に遺伝する場合のほか、核内遺伝子であっても易変遺伝子などによって非メンデル式に遺伝する場合、葉緑体自身のもつ遺伝子によって細胞質遺伝をする場合などがあり、その仕組みは複雑である。[福田泰二]

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