オリュンピオドロス(その他表記)Olympiodōros

改訂新版 世界大百科事典 「オリュンピオドロス」の意味・わかりやすい解説

オリュンピオドロス
Olympiodōros

テーベエジプト出身ギリシア歴史家。生没年不詳。412年にフン族へ遣わされた使節の一人であったが,詳しい経歴は伝わらない。407-425年の歴史を全22巻の著作にまとめ,テオドシウス2世に献呈した。現在ではこの著作は散逸し,後世の著作家(フォティオスなど)の要約引用によって断片的にしか知られない。生涯キリスト教に帰依せず,多くの旅行をし,同時代の出来事のよき観察者・記述者であった。
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関連語 田村

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オリュンピオドロス」の意味・わかりやすい解説

オリュンピオドロス
Olympiodōros

前4~3世紀初め頃の古代ギリシア,アテネ民主派指導者。前 305年カサンドロスをエラテアで撃退し,前 294~292年事実上の僭主。前 287年アテネ駐屯のマケドニア軍に反乱を起して,ムセイオン丘を占領し,のちにデモカレスを助けてエレウシスを奪取した。

オリュンピオドロス
Olympiodōros

5世紀頃のギリシア,逍遙学派哲学者アレクサンドリアアリストテレスについて講義した。プロクロスの師。

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世界大百科事典(旧版)内のオリュンピオドロスの言及

【錬金術】より

…しかし,この起源は遠くおもに古代エジプトと古代ギリシアに求めるのが穏当であろう。chemy(=chemistry)の起源をめぐっては,資料を文献の上から提示しているゾシモス(3~4世紀)がchem(khem)という言葉のエジプト語起源を,オリュンピオドロスOlympiodōros(6世紀)はchymeia(chēmeia)というギリシア語起源を示唆している。 錬金術では,エジプト語のkhemet(黒い土)という言葉のもつ神秘性,万物がそこから生まれる聖なる始源という意味が重要である。…

※「オリュンピオドロス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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