日本大百科全書(ニッポニカ) 「オートキャンプ」の意味・わかりやすい解説
オートキャンプ
おーときゃんぷ
autocamp
ホテルなどを使わず、テントや簡易宿泊施設を利用して景観を楽しみながら自動車で旅行すること、およびその宿泊施設をよぶ。自動車の発達により自動車を利用して旅を楽しむ旅行者を対象とし、第二次世界大戦後欧米で発達した。これには、自分で宿泊設備のついた車を引いて行くトレーラー型、テント持参による型、1(ワン)ボックスカーで車内宿泊する型、バンガローなどの施設を利用する型などがある。欧米ではトレーラー型が多いが、日本では道路事情などによりトレーラー型は少ない。キャンプ場には洗面所、浴場、炊飯場などが整備され、電気、水道、ガスがパイプを接続するだけで利用できるところも多い。キャンプ場の分布図もあり、家族でキャンプ場を回りながら旅行することが多い。北アメリカに約4万、ドイツに約1000など、欧米各地にキャンプ場が設けられている。日本では1966年(昭和41)初めて箱根にオートキャンプ場(モビレージ)が設けられて以来発達し、69年に設立された日本オート・キャンプ協会の尽力もあって、家族旅行の中心形態の一つとなった。オートキャンプ場は2000年(平成12)3月現在で1239か所あり、2000年の利用者は1020万人といわれる。エコロジーキャンプ、都市公園キャンプなどが設けられているほか、北海道では北海道オートリゾートネットワーク構想によって整備が進められている。
[徳久球雄]
『D・R・ハンマーマン他著、日本野外教育研究会監訳『ティーチングインザアウトドアーズ』(1989・杏林書院)』