抵抗計ともいう。電気抵抗の測定を簡単に行う計器で,目盛は抵抗の単位Ωで示される。原理は電圧÷電流=抵抗の関係を用い,一定電圧を加えた場合の電流測定,または一定電流を流した場合の電圧測定による。測定対象と抵抗値の範囲により各種のオーム計がある。一定電圧を印加し,抵抗体を流れる電流を可動コイル形計器で測定するものがもっとも一般的なオーム計である。テスター(回路計)の抵抗測定部はこの原理を用いている。一定交流電流を加えた場合の電圧を増幅指示させ,mΩオーダーの低抵抗を測るものをミリオームメーター,接点の接触抵抗を測定するものを接点抵抗計と呼ぶ。電線,回路の絶縁抵抗の測定には,磁石発電機と比率計形計器を用いたメガー(絶縁抵抗計),電池を内蔵した電池式絶縁抵抗計がある。さらに高い抵抗(108~1014Ω)の測定には,安定化直流高圧電源と直流増幅器を併用した超高抵抗計(超絶縁計,テラオームメーターとも呼ばれる)が用いられる。交流の電圧電流計法を用い,アース板の接地抵抗を測定するものとして接地抵抗計,大地の抵抗率,または導電率を測定するものとして大地抵抗計がある。ディジタル表示のものには,抵抗-電圧変換器とディジタルボルトメーターの併用によるディジタル抵抗計,抵抗のほか,電圧,電流を測定できる汎用(はんよう)のディジタルマルチメーターがある。
執筆者:平山 宏之
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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