日本大百科全書(ニッポニカ) 「メガー」の意味・わかりやすい解説
メガー
めがー
megger
電気材料の5000メガオーム程度以下の高抵抗あるいは絶縁抵抗を測定するための携帯用計器の一般名。JIS(ジス)(日本工業規格)では絶縁抵抗計と称するが、かつてつくられたこの種の計器のなかでアメリカのエバーシェッドによって設計製作されたこのものがもっとも著名であり、またよく使用されたので一般名化した。
原理は可動コイル比率計型抵抗計を応用したもので、電源が手回しの内蔵磁石発電機のものと、乾電池とトランジスタ式の直流コンバーターとを利用したものとがある。また、電子回路と可動コイル型を組み合わせたものもある。
電流コイルIは普通の可動コイル型計器のそれと同じで、電圧コイルVは環状鉄を突き抜けて回るようになっている。未知抵抗を接続する端子EとLになにも接続されていないと、定速回転用遠心クラッチ付き発電機Mによって発生した電圧による電流は、電圧コイルV(電源に並列)にのみ流れ、コイルは鉄心のエアギャップの位置に静止し、指針は∞を指示する。次に、EとLの間に未知抵抗を接続すると、未知抵抗Xを通じて電流コイルI(電源に直列)にも電流が流れ、それによるトルクと電圧コイルによるトルクが平衡する位置で指針が静止し、未知抵抗の値を知ることができる。このように可動機構は、電圧/電流=抵抗の関数として動くが、抵抗値(オーム)で目盛った目盛りは、ほぼ対数目盛りに近くなっている。
[山崎修快]