電気機器,部品,設備などの絶縁抵抗を測定する計器。電気設備の設置,保守,点検,試験に多く用いられる。発電機式絶縁抵抗計につけられた商品名が一般化したものである。JISによれば,発電機式絶縁抵抗計,電池式絶縁抵抗計,高絶縁抵抗計に分類される。許容差は有効測定範囲で±5%である。発電機式は,手回し発電機によって発電,これを被測定物に印加,発電電圧に比例する電流と絶縁物を流れる電流を可動コイル形比率計の二つの可動コイルに加えることにより電圧電流の比である絶縁抵抗を指示させるものである。測定範囲は発生電圧により100V/20MΩから2000V/5000MΩまである。電池式は乾電池の電源,DC-DCコンバーターで直流高圧をうるもので,電流計の目盛を抵抗で目盛ったものである。測定範囲はほぼ発電機式と同じである。5000MΩ以上の絶縁抵抗測定には整流高圧電源と直流増幅形微小電流計を用いた高絶縁抵抗計が用いられる。いずれももれ電流の影響を少なくするためガードが設けられている。
執筆者:平山 宏之
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電気材料の5000メガオーム程度以下の高抵抗あるいは絶縁抵抗を測定するための携帯用計器の一般名。JIS(ジス)(日本工業規格)では絶縁抵抗計と称するが、かつてつくられたこの種の計器のなかでアメリカのエバーシェッドによって設計製作されたこのものがもっとも著名であり、またよく使用されたので一般名化した。
原理は可動コイル比率計型抵抗計を応用したもので、電源が手回しの内蔵磁石発電機のものと、乾電池とトランジスタ式の直流コンバーターとを利用したものとがある。また、電子回路と可動コイル型を組み合わせたものもある。
電流コイルIは普通の可動コイル型計器のそれと同じで、電圧コイルVは環状鉄を突き抜けて回るようになっている。未知抵抗を接続する端子EとLになにも接続されていないと、定速回転用遠心クラッチ付き発電機Mによって発生した電圧による電流は、電圧コイルV(電源に並列)にのみ流れ、コイルは鉄心のエアギャップの位置に静止し、指針は∞を指示する。次に、EとLの間に未知抵抗を接続すると、未知抵抗Xを通じて電流コイルI(電源に直列)にも電流が流れ、それによるトルクと電圧コイルによるトルクが平衡する位置で指針が静止し、未知抵抗の値を知ることができる。このように可動機構は、電圧/電流=抵抗の関数として動くが、抵抗値(オーム)で目盛った目盛りは、ほぼ対数目盛りに近くなっている。
[山崎修快]
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…一定交流電流を加えた場合の電圧を増幅指示させ,mΩオーダーの低抵抗を測るものをミリオームメーター,接点の接触抵抗を測定するものを接点抵抗計と呼ぶ。電線,回路の絶縁抵抗の測定には,磁石発電機と比率計形計器を用いたメガー(絶縁抵抗計),電池を内蔵した電池式絶縁抵抗計がある。さらに高い抵抗(108~1014Ω)の測定には,安定化直流高圧電源と直流増幅器を併用した超高抵抗計(超絶縁計,テラオームメーターとも呼ばれる)が用いられる。…
※「メガー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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