翻訳|tester
回路計ともいう。保守,点検など電気回路の試験に用いられるもっとも簡便で,携帯可能な測定器。最大指示10~500μΑの可動コイル形電流計を基本とし,付属回路と併用し,直流の電流,電圧,抵抗,交流の電圧を測定指示するものである。このほか低周波出力,温度計など付加測定機能をもつものもある。電圧,電流など測定対象ごとに,3~6段の測定範囲を有する。許容差はJISに規定され,直流電圧,電流で最大目盛値の±2~3%,交流電圧で±3~4%,抵抗で目盛値の±3%である。10~50μΑの電流計を用いたものは高精度でAA級と呼ばれ,直流の許容差±2%である。測定回路の原理を図に示す。直流電圧測定には,倍率用抵抗器(倍率器)を直列に接続する。電流測定には,分流器を並列に接続する。交流電圧測定には,倍率器と両波整流のための半導体整流器を併用する。抵抗測定の場合は通常1.5~9Vの乾電池1~2個を電源とし,測定抵抗を流れる電流値に対し,電圧/電流に相当する抵抗値を目盛る。抵抗測定端子を短絡した場合に0を指示するよう調整することができる。測定範囲は直流および交流電圧で最大1200V,直流電流で最大10A,直流抵抗で最大30MΩ程度まで可能である。測定量と範囲の切換えは回転スイッチによって選択され,目盛は多重目盛となっている。
以上のほか,電界効果トランジスターを使用した高入力インピーダンスの直流増幅器を内蔵したエレクトロニクテスターもある。入力インピーダンスは,直流電圧測定の場合11MΩ,交流電圧測定の場合500kΩ~1MΩ程度である。内部抵抗の高い電源電圧の測定に適し,電子電圧計に匹敵する機能を有する。また最近ではテスターと同機能で,ディジタル表示のディジタルテスターと呼ばれるものが作られていて,表示は3桁程度である。
執筆者:平山 宏之
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…一つの計器で切換えスイッチを使い,複数の量を測定することのできる多機能計器のこと。テスターはその一種で,直流電圧,電流,抵抗,交流電圧を測定することのできるもので,さらに特殊な用途(例えば低周波出力,温度測定など)の付加機能を有する場合もある。ディジタル計器ではディジタルマルチメーターが代表例で,直流電圧,電流,交流電圧をディジタル表示できる。…
※「テスター」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新