カイル鉱(読み)かいるこう(その他表記)keilite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カイル鉱」の意味・わかりやすい解説

カイル鉱
かいるこう
keilite

鉄とマグネシウムの一対一硫化鉱物。2002年(平成14)清水正明(まさあき)(1953― )らによってエイビー隕石(いんせき)Abee meteorite(1952年6月10日カナダのアルバータ州に落下したコンドライトの一種)などから報告された新鉱物。化学組成上はナイニンガー鉱niningerite(化学式MgS)を端成分とするトロイリ鉱との間の固溶体で、化学式(Fe,Mg)S(Fe>Mg)で与えられるが、原子配列はナイニンガー鉱と同様に岩塩構造である。頑火輝石、カマサイトkamazite(α(アルファ)-(Fe,Ni))などと共存し、径数百マイクロメートルの粒として産する。また微細なトロイリ鉱の離溶体を含む。命名はこの相の存在を最初に発見したアメリカのクラウス・カイルKlaus Keil(1934― )にちなむ。

加藤 昭 2016年2月17日]


カイル鉱(データノート)
かいるこうでーたのーと

カイル鉱
 英名    keilite
 化学式   (Fe,Mg)S
 少量成分  Mn,Ca,Cr,Ti,Cu,Ni
 結晶系   等軸
 硬度    未測定
 比重    3.59~3.67
 色     おそらく黒
 光沢    おそらく金属
 条痕    未記載
 劈開    未記載
       (「劈開」の項目参照

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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