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端成分 たんせいぶんend member

岩石学辞典の解説

端成分

固溶体の組成極限をなす成分.鉱物の組成はそれぞれに固有の一群の端成分の量比で記述される[長倉ほか : 1998].

出典|朝倉書店岩石学辞典について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

端成分
たんせいぶん
end componentend member

ある固溶体化合物の成分を表示するとき、固溶を行っていない同系の化合物を成分とした形で表示する習慣がある。この際の成分のことを端成分という。たとえば、Caを主成分として含まない橄欖(かんらん)石の化学組成は、通常(Mg,Fe,Mn)2[SiO4]で与えられ、Mg、Fe、Mn原子数の総和はつねにSiのそれの2倍となっているが、これら原子の数は個体によって変化し一定でない。このように変化のある個体全体を一つのグループとして表現するのに、苦土橄欖石forsterite(Mg2[SiO4])、鉄橄欖石fayalite(Fe2[SiO4])、マンガン橄欖石tephroite(Mn2[SiO4])という3種の鉱物の理想化学式にそれぞれ対応する3個の端成分、Mg2SiO4、Fe2SiO4、Mn2SiO4を用い、それぞれがa%、b%、c%含まれていてa+b+c=100という関係が満足されている、とする。固溶体でない場合も、たとえば、四三酸化鉄Fe3O4の化学組成をFe‐O二成分系化合物として示すとき、FeおよびOはそれぞれ端成分であるという表現を用いることもある。これらを使い分ける必要のある場合、英語では橄欖石のような場合をend member、四三酸化鉄のような場合をend componentとする用法もあるが、日本語では端成分という訳語だけが存在している。なお、式中の[ ](角括弧(かっこ))は、これで囲んだ元素が原子団を構成していることを示す記号である。[加藤 昭]

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