1986年に登録されたインドの世界遺産(文化遺産)で、ヒンドゥー教の聖地バラナーシの西方に位置する。この地には10~12世紀に北インドを支配したチャンデッラ王朝の寺院遺跡群が残っている。85ヵ所あったヒンドゥー教寺院は、イスラム教徒によって破壊され、現在は25ヵ所だけになったが、その中でよく知られるのが寺院の壁面にある無数の浮き彫り装飾である。特に、タントリズム(性愛を通して宇宙の真理を知ることを目的とする、古代インドの哲学)の影響を受けた男女の交歓の姿を描いた「ミトゥナ」と呼ばれる像は圧巻である。寺院の建築様式は、高塔という屋根を持つインドの北方様式で、これらインド固有の宗教美術が評価され、世界遺産に登録された。◇英名はKhajuraho Group of Monuments