からす座(読み)からすざ

改訂新版 世界大百科事典 「からす座」の意味・わかりやすい解説

からす(烏)座 (からすざ)
Corvus

略号Crv。長いうみへび座の背に乗り,四辺形をつくる小星座ギリシア神話では太陽神アポロンの使いのカラスで,銀色の翼をし,人間の言葉を話す賢い動物であった。アポロンはテッサリアの王女コロニスを妻としていたが,このカラスは自分の道草いいわけに,コロニスの不貞をいいたて,アポロンは矢で貞節な妻を殺した。しかしすべてがカラスの虚言からとわかり,以後その罰として羽色は黒く,ただカア,カアと鳴くばかりになったという。α星は4.2等と暗いが,β星は2.8等で,クラツとも呼ばれる。惑星状星雲NGC4361がある。概略位置は赤経12h20m,赤緯-18°。午後8時の南中は5月下旬である。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「からす座」の意味・わかりやすい解説

からす座
からすざ / 烏座

春の南の中天にかかる星座。4個の3等星がすこしゆがんだ四辺形を形づくっている。この付近には明るい星が少ないため、この四辺形は非常に目につきやすい。このカラスはギリシア神話の日の神アポロンの使いで、古星図には、うみへび座の背中にのってこれを嘴(くちばし)でつっついている姿に描かれている。四辺形が船の帆のようにみえるというので、日本では「帆かけ星」とよんでいる地方もある。

[藤井 旭]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「からす座」の意味・わかりやすい解説

からす座
からすざ
Corvus

烏座。概略位置は赤経 12時 20分,赤緯-18°。5月の宵に南中する南天星座。4個の3等星が四辺形を描く。ギリシア神話ではアポロの使い烏となっている。

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百科事典マイペディア 「からす座」の意味・わかりやすい解説

からす(烏)座【からすざ】

5月下旬の夕方,南天に見える星座。4個の3等星が四辺形を描く。和名四つ星,帆掛け星。

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世界大百科事典(旧版)内のからす座の言及

【カラス(烏∥鴉)】より

…スズメ目カラス科カラス属Corvusの鳥の総称。日本人が一般にカラスと呼んでいる鳥は,日本の各地で繁殖しているハシボソガラスCorvus corone(イラスト)とハシブトガラスC.macrorhynchos(イラスト)である。…

※「からす座」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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