日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
カンザスシティ・ロイヤルズ
かんざすしてぃろいやるず
Kansas City Royals
アメリカのプロ野球球団。アメリカン・リーグ所属(中地区)。フランチャイズをミズーリ州カンザス・シティに置き、カウフマン・スタジアムを本拠地としている。
2地区制の導入とともに両リーグで球団数の拡張が行われた1969年に新球団として発足。西地区所属となった。1973年に、首位打者3回の強打者ジョージ・ブレットがデビューし、76年から3年連続地区優勝した。ブレットが9月中旬まで打率4割をキープし、3割9分の高打率で2回目の首位打者と最優秀選手(MVP)を獲得した1980年には球団史上初のリーグ優勝。だが、ワールド・シリーズではフィラデルフィア・フィリーズに敗れた。1981年はストライキで前、後期制となり、後期優勝して前期優勝のオークランド・アスレチックスと5試合制の地区優勝決定プレーオフを戦ったが、3連敗して優勝はできなかった。1984年に地区優勝。翌85年にはブレットの他に、若きエースのブレット・セイバーヘイゲンBret Saberhagen(1964― )がサイ・ヤング賞に選ばれ、下手投げの抑えダン・クイゼンベリーDan Quisenberry(1953―98)がセーブ王と投手陣の活躍も目立ち、リーグ優勝した。ワールド・シリーズでは、同じ州に本拠を置くセントルイス・カージナルスとの対戦となり、「ミズーリ・シリーズ」とよばれた。第6戦で一塁塁審の誤審をきっかけにサヨナラ負けしたカージナルスが、最終第7戦で球審を務めた同審判の判定に対し神経質になって自滅するという後味の悪いかたちであったが、球団史上初の「世界一」となった。1993年のシーズン途中で初代オーナーが逝去すると、その名を冠してロイヤルズ・スタジアムから現名称へ改称した。両リーグ3地区制となった1994年に中地区所属に変わり、96年に球団創設以来28年目にして初の最下位となった。その後も低迷が続き、2002年には球団史上初めて100敗の大台を超えた。2003年こそ3位に浮上したが、04年と05年は2年連続で100敗を超え、いずれも最下位に終わった。
[山下 健]
2006年以降
2006年も低迷から脱することができず、3年連続100敗以上を喫して最下位。2007年は69勝93敗でシーズンを終えたが、4年連続の最下位となった。なお、日本人選手では、マック鈴木投手(1999~2000年、2001~02年)、薮田安彦(やぶたやすひこ)投手(2008年)がプレー。
1969年から2007年までの通算成績は、3003勝3176敗、地区優勝6回、リーグ優勝2回、ワールド・シリーズ優勝1回。
[編集部]