宇宙史において、最初の恒星が輝きだすまでの間の、光る天体がない時代のこと。宇宙の暗黒時代dark ages of the universeともよばれる。宇宙は創成後、インフレーションを経て、ビッグ・バンにより超高温で始まり、膨張に伴って徐々に冷えていく。創成から38万年後には約3000℃まで冷え、それまで高温であるために渾然(こんぜん)としていた電子と陽子は、結合して水素やヘリウムを構成し始める。同時に電子に散乱されていた光子は、自由に直進できるようになる。この状態を「宇宙の晴れ上がり」とよび、その光は宇宙背景放射として観測される。このときには自ら光る天体がないので、宇宙は暗かったと考えられる。その後、暗黒物質(ダークマター)の凝集に伴い、通常物質の凝集が進み、初めての恒星(初代星)が核融合により輝き始めることによって、宇宙の暗黒時代は終わる。
[編集部 2023年10月18日]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…中世の詩の研究の分野での草分けであり,詩の形式,ジャンルへの考察に優れ,《叙事詩とロマンス》(1897,改訂1908),《詩の技法》(1923),《詩の形式と文体》(1928)は大きな影響力をもった。しかし中世を〈暗黒時代〉と見る史観はその著《暗黒時代》(1904)が一世を風靡しただけに,中世を誤解させるもとになったといえよう。ロンドン留学時代,夏目漱石が彼の講筵に列している。…
※「暗黒時代」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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