改訂新版 世界大百科事典 「ガラテア号」の意味・わかりやすい解説
ガラテア号 (ガラテアごう)
Galathea
イギリスで1934年に建造された排水量1600トンのスループ型船で,深海探検調査のため49年デンマーク海軍省により購入された。50-52年の2年間にわたる世界周航深海探検研究により著名である。ガラテア号の世界周航は,コペンハーゲン大学のブルーンAnton F.Bruunが団長で,11名の研究者よりなる団員により研究が行われた。フィリピン海溝の深さ1万mの底泥より微生物を採集し,3000~7000mの深海底より魚類,甲殻類,ヒトデ類,ナマコ類などを採集するなど,深海にも生物が存在することを実証した。これらの試料に基づく研究は53年以降のガラテア号報告として発表され,深海系における動物学,生物生態学の解析と発展に大きく貢献した。
執筆者:根本 敬久
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報