ガーリプ・デデ(その他表記)Gâlip Dede

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ガーリプ・デデ」の意味・わかりやすい解説

ガーリプ・デデ
Gâlip Dede

[生]1757. イスタンブール
[没]1799.1.5. イスタンブール
オスマン帝国の宮廷詩人。本名 Mehmed Esad。ガーリプ・デデというのはメフレビー教団シャイフ (長老) となってからの呼び名。イスタンブールで教育を受けたのち役人となったが,この頃から神秘主義にひかれ,メフレビー教団の本拠地コンヤに居を移した。のち,同教団のイスタンブール支部の長老となった。時の支配者セリム3世の寵愛を受け,帝の改革政治を支持し続けた。詩人としては 17世紀以来のペルシアやインド方面の作風の影響を受け,情熱的な宮廷詩人として知られる。代表作詩集』 Dîvân (1781) ,『美と愛』 Hüsn-ü Aşk (82頃) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガーリプ・デデ」の意味・わかりやすい解説

ガーリプ・デデ
がーりぷでで
Gālip Dede
(1757―1799)

オスマン・トルコ帝国の宮廷詩人。イスタンブールに生まれる。国政会議書記局員のとき、神秘主義教団メブレビーの熱心な信者となり、教団の本拠地コンヤで修業。のち、イスタンブールのガラタ地区支部のシャイフ(長老)に任ぜられた。的確な比喩(ひゆ)、躍動した文体を特徴とし、その代表作『美と愛』(1782?)はトルコ宮廷文学の最高傑作の一つで、象徴詩を思わせる詩を多く含んでいる。

[永田雄三]

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