キジル千仏洞(読み)キジルせんぶつどう(その他表記)Qyzil qian-fodong

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キジル千仏洞」の意味・わかりやすい解説

キジル千仏洞
キジルせんぶつどう
Qyzil qian-fodong

中国,シンチヤン(新疆)ウイグル(維吾爾)自治区クチャ(庫車)県(かつての亀茲西方にある仏教石窟寺院。ムザルト川に面した断崖に開かれた石窟と,その背後の第2,3群の石窟からなり,総数は 236に及ぶ。6~7世紀に開かれ,寺院の内部建築は財宝洞,孔雀洞,紅穹窿洞などにみられるように方形のプランに上部が半円球状の穹窿(ボールト)を載せる形式がとられ,その壁画の様式はインドのガンダーラ美術,イラン美術の影響が顕著である。また中世西ヨーロッパに共通した装飾や,供養者の服装のカロリング朝のものとの類似など,西方との関連がきわめて深いことが知られる。壁画は釈迦の本生図,仏伝図が大部分である。著名なものは前述のほか画家洞,最大洞,マヤ洞など。2014年世界遺産の文化遺産に登録。(→シルクロード

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世界の観光地名がわかる事典 「キジル千仏洞」の解説

キジルせんぶつどう【キジル千仏洞】

中国の新疆(しんきょう)ウイグル自治区クチャ(庫車)県にある仏教遺跡で、亀茲石窟(きじせっくつ)群の中の最大規模の石窟。クチャは、かつてのシルクロードのオアシス都市国家・亀茲国の中心で、この遺跡は亀茲国の代表的な文化遺産とされている。同県の県市クチャを流れる木扎特(ムザルト)河の北岸、天山山脈南麓の断崖3.2kmにわたって、敦煌トゥンホワン)の莫高窟(ばっこうくつ)よりも古い魏・晋・南北朝時代から、唐朝後期にいたる約1000年をかけてつくられたものである。現在、226の石窟が残っていて、この中には壁画の残されている80の石窟が含まれている。

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