莫高窟(読み)バッコウクツ

デジタル大辞泉 「莫高窟」の意味・読み・例文・類語

ばっこう‐くつ〔バクカウ‐〕【莫高窟】

敦煌石窟

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

山川 世界史小辞典 改訂新版 「莫高窟」の解説

莫高窟(ばっこうくつ)
Mogaoku

中国,敦煌(とんこう)石窟寺院を伴う。一説では前秦の建元2年(366年)に僧の楽僔(らくそん)により開鑿(かいさく)され,造営は隋唐をへて元代まで続いた。窟内は,仏教的な主題にもとづく壁画彫塑,さらには帰義軍(きぎぐん)節度使をはじめとする,石窟を造営した人々が供養者として描かれている。この石窟を世界的に有名にしたのは,スタインペリオらによる敦煌文献の「発見」であり,東洋学の研究に貴重な資料を提供している。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

世界遺産詳解 「莫高窟」の解説

ばっこうくつ【莫高窟】

1987年に登録された中国の世界遺産(文化遺産)で、同国北西部、甘粛敦煌市近郊にある仏教遺跡。古くから中国と西域を結ぶシルクロード要衝とされてきた敦煌中心部から南東25kmに位置する鳴沙山(めいさざん)の東向きの断崖に、南北1.7kmにわたって石窟が掘られ、そこに仏像が安置された。西千仏洞、安西楡林窟、水峡口窟をはじめとした合計735の石窟(石室)と2415体の仏塑像や壁画が現存している。その規模や歴史的な重要性は、ほかの石窟を圧倒している。石窟群のうち現存する最古の窟は4世紀末から5世紀はじめに造営されたものである。石窟群からは、3万~5万点に及ぶ文書や写本、仏画、経典などが発見されている。◇英名はMogao Caves。莫高窟は中国語でモーカオクーと発音する。

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

世界の観光地名がわかる事典 「莫高窟」の解説

ばっこうくつ【莫高窟】

中国の甘粛(かんしゅく)省敦煌(とんこう)(トゥンホワン)市の近郊にある仏教遺跡。敦煌市の東南25kmに位置する鳴沙山(めいささん)東の断崖に南北1600mにわたって掘られた、莫高窟や西千仏洞、安西楡林窟、水峡口窟など600あまりの洞窟があり、その中に2400余の仏塑像が安置されている。壁には一面に壁画が描かれ、総面積は4万5000m2。◇出土した敦煌文献はよく知られ、「敦煌石窟」、あるいは「敦煌千仏洞」ともいわれる。1961年に中国の全国重点文物保護単位に、1987年には世界遺産(文化遺産)に登録された。

出典 講談社世界の観光地名がわかる事典について 情報

世界遺産情報 「莫高窟」の解説

莫高窟

莫高窟(ばっこうくつ)は中華人民共和国甘粛省敦煌市の近郊にある仏教遺跡です。鳴沙山の東の断崖に、南北1600mに渡って掘られた700あまりの洞窟があり、その中に約2400の仏塑像が安置されています。壁には一面に壁画が描かれ、総面積は4500平方mにもなります。紀元前336年に楽(らそく)和尚により創建されたとされ、その後、元朝までの約1000年間にわたり造り続けられました。建築、彫塑、壁画の保存状態や芸術性の高さには目を見張るものがあります。ユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されています。

出典 KNT近畿日本ツーリスト(株)世界遺産情報について 情報

旺文社世界史事典 三訂版 「莫高窟」の解説

莫高窟
ばっこうくつ

敦煌の南東にある仏教遺跡。千仏洞ともいう
断崖に南北1600mにわたって492の石窟が開かれた。4世紀の北涼時代より造営が開始され,以後元代にいたる1000年にわたってつくられた。壁画や塑像などに優品が多く,1900年に4〜5万点におよぶ古文書が発見されて以後,イギリスのスタイン,フランスのぺリオ,日本の大谷探検隊,ロシアのオルデンブルグらが多数の古写本や経巻を国外に持ち出し,これによって敦煌学が生まれた。

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改訂新版 世界大百科事典 「莫高窟」の意味・わかりやすい解説

莫高窟 (ばっこうくつ)

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「莫高窟」の意味・わかりやすい解説

莫高窟【ばっこうくつ】

敦煌莫高窟

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の莫高窟の言及

【敦煌莫高窟】より

…1900年(光緒26)道士王円籙によって,一小窟(現在の第17窟)から4~5万点にのぼる古写本等の古文書や画巻が発見され,世界的に敦煌学が起こるきっかけとなった。莫高窟は1737年(乾隆2)常鈞が《敦煌雑抄》で紹介しているが,その学術研究は1823年(道光3)徐松が《西域水道記》に碑文と銘を記録し,莫高窟の草創を考証したのが始まりである。1907年以来イギリスのM.A.スタインは数回にわたり経巻・古写本約7000点,画巻500点余,刺繡150点余を持ち去った。…

※「莫高窟」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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