キッス(読み)きっす(英語表記)Kiss

デジタル大辞泉 「キッス」の意味・読み・例文・類語

キッス(kiss)

[名](スル)キス

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精選版 日本国語大辞典 「キッス」の意味・読み・例文・類語

キッス

  1. 〘 名詞 〙キス

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「キッス」の意味・わかりやすい解説

キッス
きっす
Kiss

特異なメーキャップとギミック満点のステージングで知られる、アメリカのハード・ロック・バンド。オリジナル・メンバーはポール・スタンリーPaul Stanley(1951― 、ギター、ボーカル)とジーン・シモンズGene Simmons(1949― 、ベース、ボーカル)、ピーター・クリスPeter Criss(1947― 、ドラムス、ボーカル)にエース・フレーリーAce Frehley(1951― 、ギター、ボーカル)の4人。1974年にファースト・アルバム『キッス』Kissでデビュー。アメリカ東海岸を拠点に活動を開始し、下積み時期を経てライブ盤『アライブ!~地獄の狂獣』(1975)でブレーク。歌舞伎役者まがいの白塗りメークで素顔を隠し、怪獣や宇宙人を思わせるコミカルなコスチュームを着て、ステージではメンバーが火を噴き、ギターから白煙をあげ、ドラム・キットは宙に高く浮きあがる……と、畳みかけるような過剰サービスぶりだが、どれも音楽的にはほとんど意味はない。とはいえ、こうした一連のこけおどしの集積こそが、逆説的にキッスというロックン・ロールエンターテインメント・ショーの独自性に繋がっている。

 音楽性でいえば、ブギー・スタイルのシンプルでポップなパーティー・ロックである。そうしたシンプルなスタイルゆえ、デビュー3~4年で早くも行き詰まりをみせ、78年には各自がソロ・アルバムを製作し、巻き返しを図るも、クリス、フレーリーといったオリジナル・メンバーが80年前後に次々と脱退。解散の危機に瀕したキッスは83年「化粧を取って素顔をさらす」という開き直りで、この窮地を脱出以後、ヘビー・メタル路線やインダストリアル・ロックにもすり寄って延命を図るが尻すぼみ感は否めなかった。そして90年代半ば、この時期にリリースされた2枚の企画盤、トリビュート盤『キッス・マイ・アス』(1994)と『MTVアンプラグド:キッス――地獄の再会』(1996)がキッスを蘇生させた。とはいえ、トリビュート盤も自らの発案、当時のアンプラグド・ブームに乗じる、など巧みなプロモーション戦略の勝利だった。ついに96年オリジナル・メンバー4名による、しかもメーキャップ姿での完全復活を宣言。世界各地を巡回する再結成ツアーも大盛況。4人の布陣によるオリジナル・アルバム『サイコ・サーカス』(1998)をリリースするなど、現役復帰をアピールしたが、この体制も長続きはせず、2001年には再び「解散」宣言。またもや大規模なフェアウェル・ツアーを敢行し、日本公演直前にはクリスがひと足先に脱退する、というおまけまでついた。

 02年のソルト・レーク・シティ冬季オリンピックの閉会式では、アメリカを代表して「ロックン・ロール・オールナイト」を披露し、拍手喝采を集めた。かつては「世界一ホットなバンド」と紹介されていた彼らの正体は、いわば「世界で最も稼ぎ倒すロック・キャラクター」だったわけだ。その長いキャリアを通してキッスが上げたレコードセールスコンサート・チケット、マーチャンダイズ収益等の総額は、ほぼ1億ドルにのぼるという。キッスとは「アーティスティックなロック・ミュージシャン」の対極に位置する、ロック芸人の鑑(かがみ)であり、彼らのライブは「音楽鑑賞会」などでは決してありえず、徹頭徹尾お祭り騒ぎのライブ・パーティーであり、炎や煙や爆竹などの演出装置と爆音のような演奏が織りなすロックン・ロール・サーカス、見世物、スペクタクルなのである。エンターテインメント産業としてのロックの頂点を極めたバンドにして商品キャラクター、それがキッスなのだ。

[木村重樹]

『ジーン・シモンズ著、大谷淳訳『KISS AND MAKE-UP――ジーン・シモンズ自伝』(2002・シンコー・ミュージック)』『C・K・レント著、田中千代子訳『KISS――黄金期キッスの全貌』(2001・シンコー・ミュージック)』

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デジタル大辞泉プラス 「キッス」の解説

キッス

アメリカのミュージシャン、プリンスの曲。自身が監督を務めた1986年公開の映画「プリンス/アンダー・ザ・チェリー・ムーン」のサウンドトラック・アルバム「パレード」からのシングル。全米第1位・全英第6位を獲得。「ローリング・ストーン」誌が選ぶ最も偉大な500曲第464位。原題《Kiss》。

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