キューブリック(読み)きゅーぶりっく(その他表記)Stanley Kubrick

デジタル大辞泉 「キューブリック」の意味・読み・例文・類語

キューブリック(Stanley Kubrick)

[1928~1999]米国映画監督雑誌社カメラマンなどを経て映画界に入る。芸術性を追求し、問題作を世に送り出した。クラーク原作の「2001年宇宙の旅」はSF映画金字塔とされる。他に「現金げんなまに体を張れ」「博士の異常な愛情」「時計じかけのオレンジ」「フルメタル‐ジャケット」など。クーブリック。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「キューブリック」の意味・読み・例文・類語

キューブリック

  1. ( Stanley Kubrick スタンリー━ ) 米国生まれの映画監督。ハリウッドで「スパルタカス」を製作し、アカデミー賞受賞後、イギリスに移住した。代表作にSF三部作とされる「博士の異常な愛情」「二〇〇一年宇宙の旅」「時計じかけのオレンジ」など。(一九二八‐九九

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「キューブリック」の意味・わかりやすい解説

キューブリック
きゅーぶりっく
Stanley Kubrick
(1928―1999)

アメリカの映画監督。ニューヨーク生まれ。雑誌社のカメラマン、ドキュメンタリーの自主製作を経て、1953年劇映画の製作に入る。第一作以来、自らの製作、脚本、監督、ときには撮影、編集までも兼ねた作家的姿勢を貫く。『現金(げんなま)に体を張れ』(1956)、『突撃』(1957)などのあと活動の場をイギリスに移し、『ロリータ』(1962)、『博士の異常な愛情』(1964)、そしていまや映画史上の古典ともいえるSF映画『2001年宇宙の旅』(1968)、『時計じかけのオレンジ』(1971)、『バリー・リンドン』(1975)、『シャイニング』(1980)、『フルメタル・ジャケット』(1987)とシャープな映像感覚による大作、問題作を発表、つねに時代の先頭にたつ。アーサー・シュニッツラーの小説『Traumnovelle(夢がたり)』(1926)を現代に移した『アイズ ワイド シャット』の完成直後の1999年3月7日に死去

[宮本高晴]

資料 監督作品一覧

拳闘試合の日 Day of the Fight(1951)
空飛ぶ牧師 Flying Padre(1951)
海の旅人たち The Seafarers(1952)
恐怖と欲望 Fear and Desire(1953)
非情の罠 Killer's Kiss(1955)
現金に体を張れ The Killing(1956)
突撃 Paths of Glory(1957)
スパルタカス Spartacus(1960)
ロリータ Lolita(1962)
博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか Dr. Strangelove or : How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb(1964)
2001年宇宙の旅 2001 : A Space Odyssey(1968)
時計じかけのオレンジ A Clockwork Orange(1971)
バリー・リンドン Barry Lyndon(1975)
シャイニング The Shining(1980)
フルメタル・ジャケット Full Metal Jacket(1987)
アイズ ワイド シャット Eyes Wide Shut(1999)

『フレデリック・ラファエル著、鈴木玲子訳『アイズワイドオープン スタンリー・キューブリックと「アイズワイドシャット」』(1999・徳間書店)』『『ザ・キューブリック――知られざる秘かな愉しみ方』(1999・フットワーク出版)』『巽孝之編『キネ旬ムック フィルムメーカーズ8 スタンリー・キューブリック』(1999・キネマ旬報社)』『巽孝之著『「2001年宇宙の旅」講義』(平凡社新書)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キューブリック」の意味・わかりやすい解説

キューブリック
Kubrick, Stanley

[生]1928.7.26. アメリカ合衆国,ニューヨーク,ブロンクス
[没]1999.3.7. イギリス,セントオールバンズ近郊
アメリカ合衆国の映画監督。最初『ルック』誌のカメラマンであったが,のち映画に転向,短編記録映画を制作。1953年長編劇映画『恐れと欲望』Fear and Desireを発表,以後『現金に体を張れ』The Killing(1956),『突撃』Paths of Glory(1957),『スパルタカス』Spartacus(1960)などで高く評価される。『博士の異常な愛情』Dr. Strangelove or: How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb(1964),『2001年宇宙の旅』2001: A Space Odyssey(1968),『時計じかけのオレンジ』A Clockwork Orange(1971)などの異色 SF映画や,『シャイニング』The Shining(1980,スティーブン・キング原作)などのスリラー映画,『バリー・リンドン』Barry Lyndon(1975),『フルメタル・ジャケット』Full Metal Jacket(1987)など歴史・社会派ドラマで才能豊かな個性派作家として注目された。1999年『アイズ・ワイド・シャット』Eyes Wide Shutの公開前に死去。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「キューブリック」の意味・わかりやすい解説

キューブリック

米国の映画監督。ニューヨーク生れ。カメラマンをへて監督となる。長編第1作は《現金(げんなま)に体を張れ》(1956年)。閉塞状況に置かれた人間の狂気を凝った映像で描く作品が多い。V.ナボコフ原作《ロリータ》(1962年)のほか,ブラック・コメディ《博士の異常な愛情――または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか》(1964年),SF映画《2001年宇宙の旅》(1968年)やA.バージェス原作《時計じかけのオレンジ》,歴史大河ロマン《バリー・リンドン》(1975年),S.キング原作の心理サスペンス《シャイニング》(1980年),軍隊の狂気を扱った《フルメタルジャケット》(1987年)など,話題作を数多く発表。最終作《アイズ・ワイド・シャット》(1999年)の完成直後にイギリスで死去した。
→関連項目ニコルソンバスリゲティ

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android