キングズリン(その他表記)King's Lynn

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キングズリン」の意味・わかりやすい解説

キングズリン
King's Lynn

イギリスイングランド東部,ノーフォーク県西部,キングズリン・ウェストノーフォーク地区の町。県都ノリッジの西約 60km,ウォッシュ湾に注ぐウーズ川河口から約 5km上流に位置する。アングロ・サクソン時代初期に始まる町で,中世には重要な港町となった。1204年ジョン王から自由都市勅許を受け,2年後には商人ギルドも許され,1537年ヘンリー8世のときにリンという市名をキングズリンと改称肥沃な農業地帯の中心地で,人工肥料,製糖(甜菜糖),果実・野菜の冷凍と缶詰などの工場がある。シルト堆積により港湾機能は低下したが,海との間にキングズカットと呼ばれる水路が開かれており,沿岸交易のほかバルト海諸港とも貿易を行なう。中世以来の古い建物が数多く現存し,オランダの建築様式の影響が強くみられる。人口 4万921(2001)。

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改訂新版 世界大百科事典 「キングズリン」の意味・わかりやすい解説

キングズ・リン
King's Lynn

イギリス,イングランド東部のノーフォーク州北西部にある港湾都市。古称はリンで,ブリトン語のlindo(湖の意)に由来する。人口3万3300(1981)。グレート・ウーズ河口から約5km上流に位置し,ウォッシュ湾奥の貿易港としてかつてはイングランド東部の主要港であった。町の起源はサクソン時代にさかのぼるが,方格状の市街地が建設されたのはノルマン征服期である。1204年にジョン王から自治都市と認められ,1537年にはヘンリー8世によりキングズ・リンの名称を与えられた。現在は漁港であると同時に,化学肥料精糖,缶詰などの工業も立地している。市内には12世紀のセント・マーガレット教会をはじめ古い建造物が多い。
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