ノーフォーク県(読み)ノーフォーク(英語表記)Norfolk

翻訳|Norfolk

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ノーフォーク県」の意味・わかりやすい解説

ノーフォーク〔県〕
ノーフォーク
Norfolk

イギリスイングランド東部の県。県都ノリッジイーストアングリア地方の北部を占める県で,北と東は北海に面する。西部では基盤をなす中生代白亜が露出し低い丘陵をつくっているが,東部はその後の堆積物に覆われた平地からなり,ウェンサム川,イェア川,ビュア川などが東流する。西縁部はフェン地方と呼ばれる低地に属し,海成のシルト層に覆われ,北流するウーズ川によって排水される。古くから人が住んでいた地域で,旧石器時代以来の遺物や遺跡が県内各地で発掘されている。ローマ時代にはこの地方に二つの町があった。アングロ・サクソン人の侵入後は,イーストアングリア王国の一部になり,その頃からノリッジ,セットフォードなどの町が発展し始めた。デーン人の来襲後は,デーン人の法が支配したデーンロー地域になり,ウィリアム1世による土地調査書『ドゥームズデイ・ブック』(1086)によれば,全イングランドで人口が最も稠密で,最も裕福な地域の一つであることが記録され,繁栄中世を通じて続いた。また農業革命期には主導的役割を果たし,ノーフォーク農法発祥の地としても有名。豊かな農業県の一つで,オオムギコムギカラスムギテンサイ,野菜,豆類などを栽培する。畜産も行なわれ,特にシチメンチョウ飼育で有名。工業軽工業が中心で,ノリッジでは製靴が盛ん。沿岸部では漁業のほか,観光業が重要で,海浜保養地が多い。面積 5372km2。人口 84万2200(2005推計)。

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