ノリッジ(読み)のりっじ(英語表記)Norwich

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ノリッジ」の意味・わかりやすい解説

ノリッジ
Norwich

イギリスイングランド東部,ノーフォーク県の県都。ノリッジ地区を構成する。ロンドン北東約 160km,肥沃な農業地帯にあり,ウェンサム川とイェア川の合流点に近い。周辺一帯は先史時代から人が住んでいたが,今日の市の位置に集落ができたのはアングロ・サクソン時代になってからで,11世紀初頭には重要な商業中心地となり,1158年最初の勅許状が与えられた。中世には羊毛工業で繁栄し,14世紀にはエドワード3世奨励によりフランドルの織物工が多数来住。18世紀にはイギリスの最も繁栄した地方都市の一つであったが,その後産業革命進展に伴い,ヨークシャー地方の工業発展に押されてしだいに衰退。今日では農業地帯の中心地としてウシ穀物を集散するほか,イギリス有数の製靴中心地となっている。そのほか機械,食品,印刷などの工業がある。有名なホーリー・トリニティ大聖堂(12世紀)のほかに古城を利用した博物館,グラマー・スクール(16世紀),イーストアングリア大学(1963)などがある。面積 39km2。人口 12万5000(2004推計)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ノリッジ」の意味・わかりやすい解説

ノリッジ
のりっじ
Norwich

イギリス、イングランド東部、ノーフォーク県の県都。ノーリッチとも発音する。人口12万1553(2001)。イエア川支流ウェンサム川に臨む。14世紀以来ウーステッド織が盛んであるが、産業革命(18世紀)以降はヨークシャーに押され、現在では靴製造が産業の中心。ほかに農業機械、印刷、食品などの工業がある。サクソン人の時代に町ができ、ノルマン・コンクェスト(1066)以後、大聖堂や修道院ができて発展し、1158年都市の勅許を得た。14~16世紀にフランドルの織工が数多く移住し、18世紀まで羊毛工業で栄えた。ノルマン様式をとどめる大聖堂、12世紀のノルマンの城が残り、英雄ネルソンの学んだグラマー・スクール(16世紀創立)、イースト・アングリア大学(1961創立)などがある。

[久保田武]

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