改訂新版 世界大百科事典 「ギーザ」の意味・わかりやすい解説
ギーザ
Gīza
エジプトのカイロ南西約16km,リビア砂漠の入口にある古王朝期の遺跡。ギーザ県の主都で観光都市のギーザの近くにある。高さ40m,広さ130aの岩の台地上に位置し,広いワジによって二つのグループに分けられる。北西部にはクフ王のピラミッドをはじめカフラー王,メンカウラー王のピラミッドと王妃や王子たちのために付加された小型ピラミッド,葬祭殿や神殿などの建造物群と,この聖地に関係のある僧侶や高級官僚たちのマスタバ,古王朝後期の小墳墓などがある。南東の石切場には多くの岩窟墳,南西の部分には第5,6王朝期の個人墳墓がみられる。この遺跡の組織的調査は19世紀前半よりG.B.カビリア,G.B.ベルツォーニ,H.バイス,J.S.ペリンク,K.R.レプシウス等,後半にはA.マリエット,ピートリー,20世紀に入ってからはG.A.ライスナー,H.ユンカー,S.ハッサン等によって行われた。
執筆者:中山 伸一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報