ギーザ(その他表記)Gīza

改訂新版 世界大百科事典 「ギーザ」の意味・わかりやすい解説

ギーザ
Gīza

エジプトカイロ南西約16km,リビア砂漠の入口にある古王朝期の遺跡。ギーザ県の主都で観光都市のギーザの近くにある。高さ40m,広さ130aの岩の台地上に位置し,広いワジによって二つのグループに分けられる。北西部にはクフ王ピラミッドをはじめカフラー王,メンカウラー王のピラミッドと王妃や王子たちのために付加された小型ピラミッド,葬祭殿や神殿などの建造物群と,この聖地に関係のある僧侶や高級官僚たちのマスタバ,古王朝後期の小墳墓などがある。南東の石切場には多くの岩窟墳,南西の部分には第5,6王朝期の個人墳墓がみられる。この遺跡の組織的調査は19世紀前半よりG.B.カビリア,G.B.ベルツォーニ,H.バイス,J.S.ペリンク,K.R.レプシウス等,後半にはA.マリエットピートリー,20世紀に入ってからはG.A.ライスナー,H.ユンカー,S.ハッサン等によって行われた。
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百科事典マイペディア 「ギーザ」の意味・わかりやすい解説

ギーザ

エジプトの北東部,ナイル川西岸,カイロの南西約5kmにある古都ギゼーとも。西方約8kmにエジプト古王国時代のクフ,カフラー,メンカウラー各王のピラミッドやスフィンクスなどがあり,観光地として著名で,1979年世界文化遺産に登録。302万2000人(2006)。
→関連項目カイロピラミッド

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世界大百科事典(旧版)内のギーザの言及

【カイロ】より

…平均年雨量は28mm,月平均気温は1月に12.4℃,7月に28.2℃,4月,5月に何回か来襲するハムシンという砂あらしを除けば,年間を通じてきわめて快適な気候である。 1950年,初めて市政府が成立,アフリカ最大の都市で,ギーザヘリオポリスヘルワーンHulwānなど近郊都市もあわせると,人口は1000万を超える。歴史的な人口推定は,ファーティマ朝盛期の11世紀に30万以上,12世紀に衰えて15万~20万,マムルーク朝時代の14世紀前半に約60万,オスマン帝国時代初期の16世紀中葉に約43万,ナポレオン軍侵略の19世紀初めに約25万,1882年に約40万,1907年に約68万,27年に約106万,47年に200万を超えた。…

【ピラミッド】より

… ピラミッドの出現は,王墓独自の形式の創出によりファラオ(王)を頂点とした中央集権国家が確立したことを示している。建造の最盛期は〈ギーザの三大ピラミッド〉に代表される古王国時代(第3~第6王朝)で,規模・技術ともに最高水準を示し,〈ピラミッド時代〉の別名がある。現在80基余が知られているが,大部分は古王国の首都メンフィス西方の砂漠台地東端,最北のアブー・ロアシュからギーザ,サッカラを経てメイドゥームに至るいわゆる〈ピラミッド地帯〉に集中している。…

※「ギーザ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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