クシャトラパ(読み)くしゃとらぱ(英語表記)Katrapa

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クシャトラパ」の意味・わかりやすい解説

クシャトラパ
kṣatrapa

アケメネス朝以来,古代イランで州長官を意味するサトラップインドで転訛した語。インドではサカ族が王の称号として用い,彼らが建設した西クシャトラパ朝は1世紀後半から約 300年間西部インドを支配し,395年頃チャンドラグプタ2世に滅ぼされた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「クシャトラパ」の意味・わかりやすい解説

クシャトラパ
くしゃとらぱ
Katrapa

古代ペルシア語のクシャトラパバン、ギリシア語のサトラペースと同じく、大守、総督の意。しかし、インド、パキスタンを支配したサカ人においては地方の支配者のことで、ほぼ王に等しい。出土した碑文には、クスルカ、パティカ、インドラバルマンなどのクシャトラパが知られるが、とくにインドのマトゥラのランジュブラ、ショーダーシャなどは大クシャトラパとして貨幣なども発行している。

[田辺勝美]

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