インド中部、ウッタル・プラデシュ州西部の都市。アグラの北西約50キロメートルに位置し、アグラ―デリー間の幹線道路に沿う。人口29万8827、周辺部を含む人口31万9235(2001)。ガンジス川の支流のジャムナ川右岸にあり、流域の農村地帯の中心地として、小麦や豆、キビ、米などの農産物を集散する。鉄鋼業や鋼線・電線製造、染色などの工業もおこっており、デリーに近いこともあって、ウッタル・プラデシュ州内では、もっとも近代化の著しい地域である。
紀元前からあった古い都市で、古代に栄えた仏教を反映して、赤色砂岩の彫像が多く残っている。とくにクシャン王朝のカニシカ王(紀元後2世紀中ごろ)の時代には多くの仏像がつくられ、当時は北インド一帯の美術に大きな影響を与えたといわれる。これらの彫像は、同時代のものと思われるジャイナ教の浮彫り図とともにマトゥラ博物館に数多く収められている。南東9キロメートルに、ヒンドゥー教のクリシュナ神の生誕地とされる聖地マハバンがある。
[北川建次]
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