改訂新版 世界大百科事典 「クパーラ」の意味・わかりやすい解説
クパーラ
Yanka Kupala
生没年:1882-1942
白ロシア(ベロルシア)の詩人,劇作家。本名はルツェービチIvan Dominikovich Lutsevich。クパーラの筆名は,民衆の祭りである洗礼者ヨハネ(イワン・クパーラ)の祭りの日(夏至の祭り)の1日後に彼が生まれたことにちなむ。ヤクプ・コーラスとともに,白ロシア文章語,現代白ロシア文学の基礎を築いた。貧しい小作人の家に生まれ,教育らしい教育を受けなかったが,1905年の処女作《百姓》以後,一貫して農民の苦渋にみちた生活を,豊かな比喩表現と力強い音楽性をもった詩で描き出した。十月革命後は社会主義建設をテーマにとり上げ,白ロシアの国民的詩人とたたえられたが,ソビエト体制に必ずしもなじめず,第2次世界大戦の終結を待てず自殺した。
執筆者:川端 香男里
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報