日本大百科全書(ニッポニカ) 「クマゼミ」の意味・わかりやすい解説
クマゼミ
くまぜみ / 熊蝉
[学] Cryptotympana facialis
昆虫綱半翅目(はんしもく)同翅亜目セミ科Cicadidaeに属する昆虫。大形で、体長40~48ミリメートル。体は太く頑丈で、全体が光沢のある黒色。はねは透明で、前翅前縁脈は黄緑色。雄の腹弁は長円形で、美しい橙(だいだい)色。腹部背面には白い帯が現れることがある。関東地方以西の平地に広く分布し、7~8月に出現し、朝、梢(こずえ)などでシャー、シャー、……とけたたましく鳴く。センダンを好み、ときにこの樹幹に群れる。
石垣島と西表島(いりおもてじま)には別種のヤエヤマクマゼミC. yayeyamanaが分布するが、この種はクマゼミよりわずかに大きく、体長44~50ミリメートルで日本最大種である。翅脈は黒色、雄の腹弁も黒色から赤褐色で角張る。山間部に多く、午前中ミーン、ミーン、……とミンミンゼミのような声で鳴く。
[林 正美]