クラフトエービング(その他表記)Richard von Krafft-Ebing

改訂新版 世界大百科事典 「クラフトエービング」の意味・わかりやすい解説

クラフト・エービング
Richard von Krafft-Ebing
生没年:1840-1902

ドイツの精神医学者。マンハイムに生まれ,シュトラスブルク大学,グラーツ大学,ウィーン大学などの精神医学教授を歴任し,1879年に《精神医学教科書》を著して医学界に大きな影響を与えた。しかし,彼の名が今日知られるのは,異常性欲者の詳細な記述と分類を試みて1886年に《性的精神病質》を公刊したことによる。この本はその後改訂を重ね,分類,命名もかなり変化したが,サディズムマゾヒズム,同性愛(現在の精神医学では,同性愛を異常性欲とみなすことはない),屍姦快楽殺人,性欲亢進症,性欲欠乏症など,重要な類型のほとんどを記述・命名している。彼は精神鑑定医として各国の裁判所から性犯罪者の鑑定を依頼された多くの臨床経験から,この仕事をなしとげ,性科学の創設者の一人と目されているが,犯罪心理学司法精神医学の創設者の一人としても高く評価されている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クラフトエービング」の意味・わかりやすい解説

クラフト=エービング
Krafft-Ebing, Baron Richard von

[生]1840.8.14. バーデン,マンハイム
[没]1902.12.22. グラーツ近郊マリアグラン
ドイツの精神病学者。シュトラスブルク (現ストラスブール) ,グラーツ,ウィーン各大学教授。てんかん,振戦せん妄,偏頭痛梅毒麻痺の関係,催眠術などを研究した。犯罪心理学,精神病学,法医学,性心理学などについて多数の著作がある。主著『性的精神病質』 Psychopathia sexualis (1886) 。

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