クルメツツジ(読み)くるめつつじ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クルメツツジ」の意味・わかりやすい解説

クルメツツジ
くるめつつじ / 久留米躑躅
[学] Rhododendron obtusum Planch.

ツツジ科(APG分類:ツツジ科)の常緑低木。天保(てんぽう)年間(1830~1843)久留米有馬(ありま)藩士坂本元蔵(1785-1854)はキリシマツツジを実生(みしょう)して多数の品種をつくったが、その後も久留米地方ではサタツツジとヤマツツジを主とし、ミヤマキリシマなどの加わったツツジの育種が行われ、現在300品種以上あり、これらを総称してクルメツツジとよんでいる。花形はやや小さいが、花つきがよく、花木として広く栽培される。

小林義雄 2021年4月16日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クルメツツジ」の意味・わかりやすい解説

クルメツツジ
Rhododendron obtusum; Kurume azalea

ツツジ科の常緑低木。江戸時代から福岡県の久留米市付近で品種改良が進み,多くの園芸品種が作出されたので,この名で呼ばれる。キリシマツツジともいう。九州山地に自生するものを原種として改良されたものであるが,原種となったのはヤマツツジ系ともミヤマキリシマ系ともいわれている。全体に小型で高さ 1m前後に仕立てられるが,2~3mに達することもある。春に出る葉は楕円形,夏から秋に出る葉は倒卵形先端がとがる。花は4月末から5月に咲き,紅色のものが多いが,白,絞り八重咲きなどさまざまの品種がある。 Kurume azaleaの名でアメリカに紹介され,その後世界に広まった。

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