ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クレメンス8世」の意味・わかりやすい解説
クレメンス8世
クレメンスはっせい
Clemens VIII
[没]1446.12.28. マジョルカ
教皇マルチヌス5世(在位 1417~31)の対立教皇(在位 1423~29)。本名 Gil Sánchez Muñoz。大分裂の時代の最後の対立教皇ベネディクツス13世(在位 1394~1417)の後継者。ベネディクツス13世の枢機卿(→カーディナル)らによって,アラゴン王アルフォンソ5世(在位 1416~58)の影響下,1423年6月に対立教皇として選出された。アルフォンソ5世と敵対関係にあった教皇マルチヌス5世に対抗するために利用されていたが,のちに両者が和解したため後ろだてを失い,1429年7月に退位した。ベネディクツス13世の正統性の承認を教会に求めたが,サンマテオへ隠退後は,配下の枢機卿たちにマルチヌス5世を承認させた。赦を得て教会と和解したとして,マジョルカ司教に任命された。
クレメンス8世
クレメンスはっせい
Clemens VIII
[没]1605.3.5. ローマ
イタリア人教皇 (在位 1592~1605) 。本名 Ippolito Aldobrandini。 1585年枢機卿,88年ポーランド特使。 95年カトリックに改宗したフランス王アンリ4世に赦免を与え,スペインの重圧から逃れた。ドミニコ会とイエズス会の間で争われた恩恵論争に関して委員会を設けたが,委員会の意向に反しモリナを排斥しなかった。 96年禁書目録新版,ウルガタ訳聖書のシクスツス版刊行。また F.ド・サール,P.ネリの慈善事業を奨励した。
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