ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マルチヌス5世」の意味・わかりやすい解説
マルチヌス5世
マルチヌスごせい
Martinus V
[没]1431.2.20. ローマ
ジェナツァノ出身の第206代教皇(在位 1417~31)。本名 Oddone Colonna。西方教会の大分裂を終結させたコンスタンツ公会議で,満場一致で教皇に選出された。その後まもなく,公会議の決定は教皇よりも優位に立つという公会議首位説を排斥し,教皇権の強化をはかった。1420年,廃虚と化したローマに帰還し,西方教会と教皇庁,教皇領の再建に尽力。傭兵隊長ブラッチオ・ダ・モントーネにウンブリアを奪われたが,1424年にこれを破り南イタリアに進出,回復した教皇領を親族であるコロンナ家に与えて一族の力を強めた。国外ではフランスとイングランドの百年戦争の仲裁を試み,フス派に対する十字軍を提唱。1431年にバーゼル公会議を招集し,ほどなく死去した。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報