改訂新版 世界大百科事典 「クロフォード」の意味・わかりやすい解説
クロフォード
Osbert Guy Stanhope Crawford
生没年:1886-1957
イギリスの考古学者。ピートリーやエバンズに次ぐイギリス近代考古学の第2世代に属する。考古学に関して世界中で最も大きな影響力をもつ雑誌《Antiquity(古代)》を1927年に創刊し,学会にも大学にも博物館にも拠らずに30年間,死ぬまで編集・刊行し続けた。父の任地ボンベイで生まれ,オックスフォード大学を卒業し,地理学研究所に勤務したのち,イースター島やスーダンの考古学的調査に参加した。その後第1次世界大戦中に勤務した陸軍航空隊での経験をもとに,飛行機による遺跡の発見と調査の進め方を確立し,野外における調査方法の革新に大きく貢献した。ケンブリッジ大学はこの功績に対して名誉文学博士号を贈った。20年に英国陸地測量部の考古学担当官となり,優れた遺跡地図の作製と遺跡や古い町並みの保存に尽力した。49年英国学士院会員。55年に自伝《言ったこと実行したことSaid and Done》を出版した。電話,タイプライター,自動車を嫌い,自転車を愛用した。
執筆者:小野山 節
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報