クーマ(読み)くーま

デジタル大辞泉 「クーマ」の意味・読み・例文・類語

クーマ(Cooma)

オーストラリア、ニューサウスウェールズ州南東部の都市キャンベラの南約100キロメートルに位置する。1940年代末から1970年代初めにかけて同国最大規模の公共土木事業、スノーウィーマウンテンズ水力発電計画の本部が置かれ、多く労働者が移住して発展。現在はスノーウィーマウンテンズの観光拠点として知られる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クーマ」の意味・わかりやすい解説

クーマ
くーま / 空摩

節足動物門甲殻綱クーマ目Cumaceaの海産小動物の総称。一般に体長2~3ミリメートルの小形種。世界で800余種が知られ、潮間帯から7000メートルを超える深海まで分布が広い。砂泥底に体を埋めて生活するが、沿岸のものは夜間に水面近くに泳ぎ上がる。頭胸甲は大きく、頭部と第1から第3胸節、ときに第4胸節までを覆う。それに続く第8胸節までは自在胸節とよばれ、その後方に6腹節と尾節がある。頭胸甲の背面前方には縫合線に囲まれた眼葉があり、数対の目がある。雌では生殖時期に胸脚の基部から覆卵葉が発達して育房を形成し、交尾後は雌はその中に産卵する。第5歩脚がないことを除けば成体とそっくりの幼生(マンカ幼生)となって育房から出る。底魚類の天然餌料(じりょう)として重要である。

[武田正倫]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クーマ」の意味・わかりやすい解説

クーマ
Cooma

オーストラリア,ニューサウスウェールズ州南東部,キャンベラの南 116kmにある町。モナロ地方の牧羊地帯の中心都市。第2次世界大戦後のスノーウィー山地の水力開発事業の基地として発展。現在も農牧商工業のほか,スノーウィー山地への観光基地である。人口 7406 (1986) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のクーマの言及

【オーストラリア・アルプス】より

…年降水量は同国としてはきわめて多く(3000mm以上),西へ流れるマレー水系と東へ流れるスノーウィ川との水源地帯となっているが,多くが東側に流出するため,スノーウィ山地水力開発事業により,多くのダム,貯水池,導水トンネルが建設され,スノーウィ川の水をマレー水系側に分流し,発電・灌漑に利用している。建設基地であった東麓のクーマ(キャンベラの南100km)が観光基地。【谷内 達】。…

※「クーマ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android