日本大百科全書(ニッポニカ) 「グラモン」の意味・わかりやすい解説
グラモン
ぐらもん
Maurice Grammont
(1866―1946)
フランスの言語学者、音声学者。ルスローPierre Jean Rousselot(1846―1924)によって導入された実験音声学とF・ド・ソシュールの音韻論を継承発展させ、とくに言語音の歴史的変化の主要因としての「同化」や「異化」の現象を明確にし、通時的音声学の確立に貢献した。また、フランス語の発音やフランス詩法についても優れた仕事を残した。主著として『印欧諸語およびロマンス諸語における子音の異化』(1895)、『音声学綱要』(1933)などがある。とくに後者は通時音声学の古典的名著とされる。
[松本克己 2018年6月19日]
『杉山正樹訳『フランス詩法概説』(1974・駿河台出版社)』
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