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異化 いかdissimilation

翻訳|dissimilation

8件 の用語解説(異化の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

異化
いか
dissimilation

同一の,または共通点をもった,すなわち類似した2つの音素が,互いに隣接するか近い位置にある場合,その一方がより共通点の少い別の音素に変化する歴史的現象をさす。同化の反対。同一 (または類似) の要素を繰返し調音する労力を避けようとして生じる。

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異化
いか
catabolism

カタボリズムともいう。生物が栄養物質を分解して,その際解放される自由エネルギーを利用する反応の総称。同化の対語。異化反応の産物は,概して出発物質よりも簡単な化合物である。たとえばブドウ糖が出発物質のとき,産物は,解糖において乳酸,アルコール発酵においてエタノール,呼吸において二酸化炭素 (炭酸ガス) と水である。

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デジタル大辞泉の解説

い‐か〔‐クワ〕【異化】

[名](スル)
dissimilation》音変化の一種。同じ音、あるいは調音上類似している音が一語の中にあるとき、一方が別の音に変わる現象。「ナナカ(七日)」が「ナヌカ」または「ナノカ」、「ボノーニア」(地名)が「ボローニア」となるなど。
生物が外界から摂取した物質を体内で化学的に分解して、より簡単な物質に変える反応。これによってエネルギーを得る。カタボリズム。異化作用。⇔同化
心理学で、差異の著しい二つの性質や分量を接近させることで、その差異がさらにきわだつこと。
ロシアフォルマリズムの手法の一。日常的で見慣れた題材を異質なものに変化させること。シクロフスキーらの提唱した語。
異化効果

出典|小学館
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百科事典マイペディアの解説

異化【いか】

物質代謝により生体内の高分子化合物を分解すること。同化に対応する。おもなものに炭水化物や脂肪を二酸化炭素と水に分解する反応,タンパク質からアンモニアや尿素を生成する反応などがある。

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栄養・生化学辞典の解説

異化

 異化作用ともいう.同化(anabolism)の対語.摂取した食物の成分をCO2やH2O,尿素などの最終産物に分解していく作用,高分子物質を低分子物質へ分解する作用などをいう.

出典|朝倉書店
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世界大百科事典 第2版の解説

いか【異化】

一般に同化に対する語。生物学(〈同化作用〉の項目を参照),心理学でもこう呼ばれる現象があるが,ここでは文芸的な術語だけを扱う。本来はブレヒトが演劇で用いた〈異化効果Verfremdungseffekt〉に由来する。英語でalienationフランス語でdistanciation,中国語では間離化,陌生化とも訳されているが,語義からいえば作品の対象をきわだたせ,異様(常)にみせる手続をいう。文学的な技法としては古くから用いられており,ブレヒトロシア・フォルマリズムの用語からもヒントを得たという。

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大辞林 第三版の解説

いか【異化】

( 名 ) スル 〔dissimilation〕
ある程度違う二つの要素が近接する場合、双方の共通点が減じ差異が一層増大すること。互いの区別が際立つこと。 ↔ 同化
〘生〙 生体内の物質交代において、複雑な化合物(同化物質)を、より単純な物質に分解する反応。これにより生物はエネルギーを得る。カタボリズム。異化作用。 ↔ 同化
ドイツ Verfremdung〕 日常馴れ親しんでいる文脈から物事をずらして、不気味で見慣れぬものにすること。ブレヒトの異化効果が典型で、一種の目ざましの作用を意味する。 → 異化効果
〘言〙 ある音素が隣接する音素に影響されて、より類似性の少ない性質のものに変化すること。ラテン語 marmor がフランス語 marbre となる類。 ↔ 同化

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

異化
いか

生物体が、化学的に複雑な物質をより簡単な物質に分解する過程をいう。逆に、生物体がより簡単な物質から化学的に複雑な物質を合成する過程を同化という。異化作用は、食物として摂取した物質の細胞外(消化管内など)消化に始まり、この段階で、炭水化物、タンパク質、脂質はそれぞれ主としてブドウ糖、アミノ酸脂肪酸グリセリンなどに分解され、吸収される。これらの物質は、次に細胞内に取り込まれ、さらに分解されたり、生体物質合成の原料として使われる。生命活動のエネルギー源として重要なのはブドウ糖と脂肪酸で、細胞内で水と炭酸ガスにまで分解され、このとき放出される多量の結合エネルギーは、分解過程に共役(きょうやく)したアデノシン三リン酸(ATP)合成反応によりATPの高エネルギーリン酸結合の形で効率よく保存される。アミノ酸やグリセリンなども分解の中間産物がブドウ糖や脂肪酸の分解経路に入って同様に分解される。エネルギー獲得、すなわちATP形成は主としてミトコンドリアで行われるが、そのミトコンドリアは細菌類、藍藻(らんそう)を除くすべての細胞に存在する。異化作用の最終段階は酸素による酸化反応であり、呼吸により生体内に取り入れた酸素が用いられる。これを細胞呼吸という。運動、増殖、そのほか細胞の生活活動、生命維持に必要なエネルギーはすべて異化作用により獲得され、ATPとして細胞活動を支える諸反応に利用される。[嶋田 拓]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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世界大百科事典内の異化の言及

【演劇】より

…その意味では,そもそもこの演じる者と見る者の関係自体が一つの遊戯なのであるが,この遊戯性としての虚構性は,少なくとも見ている者の側において相矛盾する二つの欲望に貫かれ,かつそれに脅かされている。それを〈同化〉と〈異化〉という概念で表すなら,まず観客の内部には,〈見ているものが限りなく現実に近く,現実そのものであれ〉という虚構と現実の同一視の欲望と,〈見ているものに完全に同化したい〉という欲望があり,前者はすでに触れた古代ローマの闘技士や公開の処刑,現代ならポルノ・ショーなどに見受けられ,後者は〈共同体の構成員が祝祭の狂喜乱舞のうちに一体感を味わう〉という演劇の始原的形態の幻想に通じる。と同時に,通常は,このような同化はあくまでも演劇という約束事の内部のことだと自覚されていて,それを異化して見る視点をどこかに保つものであり,それが意識的・知的な作業となればB.ブレヒトの説く〈異化〉作用であるが,多くの場合は,ちょうど夢の中にあって,自分が行為者であると同時に観客でもあり,かつしばしばそれが夢であることを知りつつ夢を見ているという,あの人格の二重化に似た同化と異化の使い分けをしているのである。…

【詩学】より

…【福井 芳男】
[フォルマリズムに始まる詩学の発展]
 〈詩学〉という言葉は,一般には詩の韻律・言語の分析や研究をいうが,構造主義の登場以後はとくにロシア・フォルマリズムに始まる詩,そして一般に文学テキストの構造的研究とその理論をさす。ロシア・フォルマリズム(1910年代後半に発足)は,世界の明視(ビジョン)の創造を芸術の目的とし,その方法は異化(V.シクロフスキーによる。ロシア語ではオストラネーニエostranenie)であるとした。…

【ブレヒト】より

… 33年2月27日の国会放火事件の翌日亡命したブレヒトは,同年暮にデンマークに落ち着くまでの間にも,バレエ劇《七つの大罪》や寓意劇《まる頭ととんがり頭》を執筆した。そこでは異化という手法が有効な手段として追求されるようになる。亡命の地,デンマークのスベンボルでのW.ベンヤミンK.コルシュらとの交流はよく知られているが,そこで彼は反ファシズム運動の活動を続け,《第三帝国の恐怖と貧困》や《カラールおばさんの鉄砲》を書いた。…

【ロシア・フォルマリズム】より

…すなわち,〈何が〉書かれているかではなく,〈いかに〉書かれているかがまず問題とされた。シクロフスキーの言を借りれば,芸術の目的は事物を異化・非日常化することにあり,知覚を困難にし長びかせるのが芸術の手法である。すなわち〈手法こそが唯一の主人公〉であった。…

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