グランドスラム(読み)ぐらんどすらむ(英語表記)grand slam

翻訳|grand slam

デジタル大辞泉 「グランドスラム」の意味・読み・例文・類語

グランド‐スラム(grand slam)

スポーツで、主な試合にすべて勝つこと。
テニスで、ウィンブルドンテニス大会全米オープン全仏オープン全豪オープンのすべてに優勝すること。
ゴルフで、メジャー選手権の大会すべてに優勝すること。
野球で、満塁ホームランのこと。
通信サービスのクアドロプルプレーのこと。
エクスプローラーズグランドスラム

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精選版 日本国語大辞典 「グランドスラム」の意味・読み・例文・類語

グランド‐スラム

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] grand slam )
  2. トランプブリッジで、出されたカードのすべてを取って、圧勝すること。
  3. スポーツで、その年の主な試合にすべて勝つこと。特に、ゴルフ、テニスで世界の四大競技会すべてに優勝すること。ゴルフは全米プロ、全米オープン、全英オープン、マスターズ。テニスは全豪、全仏、全英、全米。
  4. ( [アメリカ] grand slam ) 野球で、ホームランのこと。日本では、特に満塁ホームランをいう。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「グランドスラム」の意味・わかりやすい解説

グランドスラム
ぐらんどすらむ
grand slam

おもに、スポーツの試合で年間の主要な大会をすべて制覇すること。また公式に認定された主要な一連の大会を意味することもある。トランプゲームのコントラクト・ブリッジcontract bridgeで、1ゲームに13回めぐってくる勝負のすべてに勝利することをグランドスラムとよぶことが、他の競技でも使われるようになった。なかでも、ゴルフとテニスで世界の四大大会すべてに優勝することを表すことばとして定着している。ほかに、野球で満塁ホームランのこと、ラグビーのヨーロッパ6か国対抗戦(シックス・ネイションズ)で全勝優勝すること、柔道では国際柔道連盟主催のフランス、アゼルバイジャンロシアアラブ首長国連邦、東京で開催される五つの国際柔道大会のことなどを、グランドスラムとよんでいる。

 ゴルフの場合は、メジャー選手権と称される四大大会の全英オープンThe Open Championship、全米オープンU.S. Open Championship、全米プロゴルフ選手権PGA Championship、マスターズ・トーナメントThe Masters Tournament(アメリカ)を、1年の間に制覇することをグランドスラムという。1930年にアメリカのボビー・ジョーンズが成し遂げたのが最初で、グランドスラムという名称はこのときから使われるようになった。また、女子やシニアの国際選手権においてもグランドスラムとよばれている大会が存在する。

 テニスでは全豪オープンAustralian Open、全仏オープンFrench Open(Les Internationaux de France)、全英オープンThe Championships(通称ウィンブルドンテニス大会)、全米オープンU.S. Open Championshipsの国際テニス連盟International Tennis Federationが認定した四大大会がグランドスラムとよばれる。また、選手が1年間でこれらの四大大会をすべて制覇することをも示す。

[編集部]

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知恵蔵 「グランドスラム」の解説

グランドスラム(テニスの)

オーストラリアンオープン(1月=メルボルン)、フレンチオープン(5月=パリ)、ウィンブルドン選手権(6月=ロンドン郊外)、USオープン(8月=ニューヨーク)のメジャー4大会を指すが、本来は、この4大大会すべてに優勝することを意味した。テニスはそもそも19世紀に英国で発祥したローンテニスで、フレンチオープン(クレイコート)以外はすべて芝のサーフェスで行われていた。1968年にプロの出場を認めるオープン化に踏み切って以来ハードコートの需要が高まり、現在、芝で行われているのはウィンブルドン選手権だけ。東欧や南米への普及に伴ってレベルが上がり、1年間に4大大会すべてを制覇する年間グランドスラムを達成したのは88年のシュテフィ・グラフ(独)が最後。オープン化以降の男子では69年のロッド・レーバー(豪)だけで、しかも当時は芝のサーフェスだった。異種サーフェスになった4大会すべてを制した男子選手(通算)はアンドレ・アガシ(米)1人で、ロジャー・フェデラー(スイス)は、2006・07年と唯一残したフレンチオープンの決勝まで進んだが、いずれもラファエル・ナダル(スペイン)に敗れた。また、07年から4大会すべて男女同額賞金になった。

(武田薫 スポーツライター / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グランドスラム」の意味・わかりやすい解説

グランドスラム[ゴルフ]
grand slam

ゴルフの世界四大トーナメントとされる全英・全米オープン,全米プロ,マスターズに優勝すること。もともとは,カード遊びのブリッジで一人勝ちして賭け金を総取りすることをいった。優勝したプレーヤーをグランドスラマーと呼ぶ。 1930年に B.ジョーンズが全英・全米オープン,全英・全米アマチュアゴルフ選手権大会の4トーナメントを制し,このことばが使われた。 B.ジョーンズ以降は1年間でグランドスラムを達成した選手はなく,現在では年度が違っても,世界四大トーナメントに優勝すればグランドスラマーと呼ばれる。これまでに G.サラゼン (米,1935) ,B.ホーガン (米,1953) ,G.プレーヤー (南ア,1978) ,J.ニクラウス (米,1986) ,E.ウッズ (米,2001) が達成している。

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世界大百科事典(旧版)内のグランドスラムの言及

【ゴルフ】より

…アメリカの技術的な進歩はめざましく,13年の全米オープンではアメリカの無名の20歳の青年,F.D.ウィメットがイギリスのトッププロ,バードンHarry Vardonを破り,また21年の全英オープンでは初めてアメリカのプロ,J.ハチソンがタイトルを奪った。こうして,ゴルフの主流はイギリスからアメリカに移り,30年に全英オープン,全米オープン,全英アマチュア,全米アマチュアの各選手権をとり,年間グランドスラムを達成して〈球聖〉といわれたボビー・ジョーンズBobby Jones(1902‐71)らを輩出し,また第2次世界大戦後,S.スニード,ベン・ホーガン,A.パーマー,J.ニクラウスなどの名選手が生まれている。アメリカでのプロ・トーナメントは1899年にウェスタン・オープンが創設されて以後徐々に増加し,1938年には年間38試合に達した。…

【テニス】より

…1881年には全米選手権が始まり,1900年デビス・カップ戦(国別対抗戦),05年全豪選手権,25年全仏選手権と続く。現在はウィンブルドンと全米,全仏,全豪の三大オープンを合わせて四大トーナメントと呼ばれ,そのシングルスを同一年度に全部制することを,グランドスラム(四冠王)という。オリンピックにも第1回アテネ大会(1896)以来,正式種目として採用された。…

※「グランドスラム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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