ケルズの書(読み)ケルズのしょ(英語表記)Book of Kells

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ケルズの書」の意味・わかりやすい解説

ケルズの書
ケルズのしょ
Book of Kells

8~9世紀にスコットランドアイルランドのキリスト教修道士によってハイバーノ・サクソン様式で装飾された福音書。アイルランドのケルズで最終的に完成されたと考えられている。現在はダブリンのトリニティ・カレッジ図書館に所蔵されている。本文は聖ジェロームの『ウルガタ訳聖書』であるが,何人かの手によって筆写されている。各ページにケルト文様の特徴を強く残した渦文やわらび手文,S字流線文,人頭動物像などによる装飾文字や全ページ大の挿絵,福音書著者たちの肖像およびその象徴であるライオン,牛,ワシなどの図,キリストの一生の3つの場面などが描かれていて,中世美術の代表的作品となっている。

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