日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゲイ・リュサック塔」の意味・わかりやすい解説 ゲイ・リュサック塔げいりゅさっくとう 鉛室式硫酸製造装置の一部。フランスのゲイ・リュサックが1827年に考案した。この塔の役目は、二酸化硫黄(いおう)を三酸化硫黄に酸化するのに用いられた窒素酸化物を、75%以上の濃度の硫酸に吸収させて回収することにあり、鉛室のあとに設けられている。塔内ではニトロシル硫酸が生成する。塔は鉛板に耐酸れんがまたは抗火石で内張りしたもので、内部にれんがや陶磁器でつくった充填(じゅうてん)物が詰められている。[足立吟也][参照項目] | 鉛室法 | 硫酸 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
百科事典マイペディア 「ゲイ・リュサック塔」の意味・わかりやすい解説 ゲイ・リュサック塔【ゲイリュサックとう】 鉛室法で硫酸を製造する際,鉛室から出るガス中の窒素酸化物を回収する装置。中には耐酸煉瓦,石英塊などがつまっており,上から冷濃硫酸が落とされ,ガスが下から昇る。窒素酸化物は硫酸に吸収されニトロシル硫酸となってグラバー塔へ送られる。考案したフランスの化学者ゲイ・リュサックの名にちなみ,こう呼ばれる。→塔式法 出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報