日本大百科全書(ニッポニカ) 「コクヨ」の意味・わかりやすい解説
コクヨ(株)
こくよ
事務用品製造、販売等を行うコクヨグループを統括する持株会社。前身のコクヨは紙製品で高いシェアを占め、1905年(明治38)大阪に創業の黒田表紙店が前身。和式帳簿や洋式帳簿を製造・販売し、1914年(大正3)に黒田国光堂と改称、17年に商標を「国誉(こくよ)」と定めた。1938年(昭和13)に合名会社に改組、第二次世界大戦後の49年に株式会社として新発足し、54年には大阪に帳簿等を量産する深江(ふかえ)工場を開設した。1961年に社名をコクヨに改称、紙製品を一貫生産する八尾(やお)工場を新設する一方、ファイリング・キャビネットを発売し、のちの飛躍の基となるスチール家具に進出していった。1971年に大阪・柏原(かしわら)工場を開設、スチールデスク等の家具製品の自社一貫生産体制を確立した。また、各県1店を原則にコクヨ製品専門の一次代理店である「総括店」をフランチャイズ方式で設立し、強力な販売網を形成していった。ニューオフィス(快適で機能的なオフィス)ブームのもと、1992年(平成4)に、オフィス空間インテグレーター(統合者)を目ざすと宣言、オフィスの新しいあり方も提案している。2004年10月に持株会社へ移行。おもな事業会社にコクヨS&T(紙製品、文房具、パソコン関連商品の製造・販売等)、コクヨファニチャー(オフィス家具、学校用家具製造・販売等)がある。資本金158億円(2008)、売上高3396億円(2007。連結ベース)。
[中村青志]
『コクヨ株式会社編・刊『コクヨ100年のあゆみ』(2006)』