ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コジモ2世」の意味・わかりやすい解説
コジモ2世
コジモにせい
Cosimo II
[没]1621.2.28.
第4代トスカナ大公(1609~20)。フルネーム Cosimo de' Medici。4世紀にわたって続いたメディチ家による金融業・商業活動に終止符を打った。1609年,父の第3代トスカナ大公フェルディナンド1世の後を継ぐ。1611~12年のフランスとスペインの間の交渉に助力し,1615年にフランス王ルイ13世とオーストリア女大公アナ(→アンヌ・ドートリッシュ),および次期スペイン王フェリペ4世とルイ13世の妹エリザベトを結婚させる成果を上げた。地中海ではオスマン帝国勢の前進を阻止し,他方でドゥルーズの首長ファフル・ウッディーンと友好関係を保ったことにより,レバント地方の交易で優位に立った。木星の四つの衛星を発見して「メディチ家の星々」と名づけたガリレオ・ガリレイを,1610年ピサ大学の哲学と数学の首席教授およびトスカナ大公付数学者・哲学者に任命した。ほかにもコジモ2世の命で,建築家マッテオ・ニゲッティはメディチ家礼拝堂の建設に取り組み,彫刻家ピエトロ・タッカはフェルディナンド1世記念像の制作にとりかかった。また自己の利益をはかる金融業や商業を,品位をけがし,国の統治を過たせるものと考え,これらの事業から手を引いた。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報