日本大百科全書(ニッポニカ) 「コストフ」の意味・わかりやすい解説
コストフ
こすとふ
Trajcho Kostov
(1897―1949)
ブルガリアの政治家。1920年ブルガリア共産党に入党し、31年より党中央委員会委員。30~31年、32~34年ソ連に亡命し、コミンテルン執行委員会で活動した。40年からは労働者党中央委員会書記として自国内で反ファシスト運動の組織化に努めたが、42年に逮捕され、終身刑を受けた。44年9月、共産党を中心とする祖国戦線が権力を掌握すると刑を解かれ、共産党中央委員会書記(1944~46)、閣僚会議副議長(1946~49)などの要職を務めた。しかし、G・ディミトロフの死の直後の49年に国家転覆のかどで処刑され、スターリン主義の犠牲となる。56年、死後に名誉回復された。
[寺島憲治]