直翅目コロギス科の昆虫。コオロギとキリギリスの二つの型をつなぐ中間型をしており,和名もこれによる。体長23mm内外。体はやや背腹に圧された感じの円筒状。全体黄緑色で,前翅の後半部は黄褐色をしている。頭部は大きく丸い。頭頂は滑らかでつやがある。触角はたいへん長く,体の3倍以上もある。前胸背板も大きくつやがある。前翅は長楕円状。コオロギやキリギリス類に見られるような発音器はもたない。したがって鳴くことはない。後翅は前翅とほぼ同じ長さで透明。脚はいずれも太め。前・中脚の脛節(けいせつ)のとげは長く,肉食性の性質をよく示している。前脚には鼓膜をもたない。雄の腹端は丸形で単純,雌の産卵管はキリギリス類型であるが,あまり長くなく,上方に反る。本州から九州にかけて分布し,樹上で生活する。成虫は夏から秋にかけて見られる。夜行性で,日中は口から吐いた糸で葉をつづり合わせた隠れ家に潜んでいる。歩行はすばやく,灯火にくることもある。
執筆者:山崎 柄根
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
昆虫綱直翅(ちょくし)目コロギス科の昆虫。コオロギ類とキリギリス類の中間の形態をもった、触角がきわめて長い虫。木の葉をつづる習性がある。体長25ミリメートル内外。全体淡黄緑色で、前翅の体の背面にあたる部は黄褐色。頭部は幅広くて丸く、頭頂は丸みがあって盛り上がる。触角は体の3倍以上もの長さがある。前胸背板は円筒形に近く、前縁および後縁のすぐ内側にそれぞれ凹溝がある。頭部と前胸背板にはつやがある。はねはよく発達し、前翅は長楕円(ちょうだえん)状、雄では発音器がなく、脈相は雌雄であまり差がない。後翅は前翅とほぼ同じ長さであるが、前翅の幅の約3倍もの大きさで透明。脚(あし)はいずれも太い。後ろ脚は跳躍肢であるが短く、実際にほとんど歩行にしか用いない。前脚と中脚の脛節(けいせつ)下縁には棘(とげ)を列生する。雄の腹端部は単純で、左右に長い尾角をもつ。雌の産卵管は体長よりやや短い程度で、刀剣状でやや上方に反っている。成虫は夏から秋にかけて出現し、昼間は口から出した糸で葉をつづって中にいるが、夜は外をうろつき回る。歩行は敏捷(びんしょう)で、肉食性。夜、灯火に飛来することもある。本州から九州にかけて分布する。
[山崎柄根]
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