ころぎす(読み)コロギス(英語表記)Prosopogryllacris japonica

デジタル大辞泉 「ころぎす」の意味・読み・例文・類語

ころぎす

コロギス科の昆虫体長約2.5センチ、淡緑色。雌は刀状の産卵管をもつ。樹上にすみ、夜行性で、日中は木の葉を巻いて中に隠れている。本州四国九州分布
直翅ちょくし目コロギス科の昆虫の総称コオロギキリギリスとの中間型で、触角がきわめて長く、発音器をもたない。

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精選版 日本国語大辞典 「ころぎす」の意味・読み・例文・類語

ころぎす

  1. 〘 名詞 〙
  2. バッタ(直翅)目コロギス科の総称。体は円筒形で、触角は長くはねのあるものとないものがあり、発音器・聴覚器をもたない。ハネナシコロギス、コバネコロギス、コロギスがいる。コオロギとキリギリスの中間のような虫という意味でこの名がある。
  3. バッタ(直翅)目コロギス科の昆虫。体長三センチメートル内外。体は淡黄緑色ではねは褐色で透明。口から糸を吐き、広葉樹の葉をつづり合わせて、その中で生活し、夜間活動して他の昆虫を捕食する。よく灯火にも飛来する。本州以西に分布。

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改訂新版 世界大百科事典 「ころぎす」の意味・わかりやすい解説

コロギス
Prosopogryllacris japonica

直翅目コロギス科の昆虫。コオロギとキリギリスの二つの型をつなぐ中間型をしており,和名もこれによる。体長23mm内外。体はやや背腹に圧された感じの円筒状。全体黄緑色で,前翅の後半部は黄褐色をしている。頭部は大きく丸い。頭頂は滑らかでつやがある。触角はたいへん長く,体の3倍以上もある。前胸背板も大きくつやがある。前翅は長楕円状。コオロギやキリギリス類に見られるような発音器はもたない。したがって鳴くことはない。後翅は前翅とほぼ同じ長さで透明。脚はいずれも太め。前・中脚の脛節(けいせつ)のとげは長く,肉食性の性質をよく示している。前脚には鼓膜をもたない。雄の腹端は丸形で単純,雌の産卵管はキリギリス類型であるが,あまり長くなく,上方に反る。本州から九州にかけて分布し,樹上で生活する。成虫は夏から秋にかけて見られる。夜行性で,日中は口から吐いた糸で葉をつづり合わせた隠れ家に潜んでいる。歩行はすばやく,灯火にくることもある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ころぎす」の意味・わかりやすい解説

コロギス
ころぎす
[学] Prosopogryllacris japonica

昆虫綱直翅(ちょくし)目コロギス科の昆虫。コオロギ類とキリギリス類の中間の形態をもった、触角がきわめて長い虫。木の葉をつづる習性がある。体長25ミリメートル内外。全体淡黄緑色で、前翅の体の背面にあたる部は黄褐色。頭部は幅広くて丸く、頭頂は丸みがあって盛り上がる。触角は体の3倍以上もの長さがある。前胸背板は円筒形に近く、前縁および後縁のすぐ内側にそれぞれ凹溝がある。頭部と前胸背板にはつやがある。はねはよく発達し、前翅は長楕円(ちょうだえん)状、雄では発音器がなく、脈相は雌雄であまり差がない。後翅は前翅とほぼ同じ長さであるが、前翅の幅の約3倍もの大きさで透明。脚(あし)はいずれも太い。後ろ脚は跳躍肢であるが短く、実際にほとんど歩行にしか用いない。前脚と中脚の脛節(けいせつ)下縁には棘(とげ)を列生する。雄の腹端部は単純で、左右に長い尾角をもつ。雌の産卵管は体長よりやや短い程度で、刀剣状でやや上方に反っている。成虫は夏から秋にかけて出現し、昼間は口から出した糸で葉をつづって中にいるが、夜は外をうろつき回る。歩行は敏捷(びんしょう)で、肉食性。夜、灯火に飛来することもある。本州から九州にかけて分布する。

[山崎柄根]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ころぎす」の意味・わかりやすい解説

コロギス
Prosopog japonica

直翅目コロギス科。体長 30mm内外。体は短太で頭部は幅広く,触角は糸状で非常に長い。肢は太く強壮で,後肢は跳躍肢であるが短い。体色は黄緑色で,前翅背部は褐色を帯び,頭部および前胸背には光沢がある。発音器をもたず,前肢脛節に鼓膜もない。肉食性。樹上にすみ,口から糸を出して木の葉を綴り,昼はその中に隠れている。本州,四国,九州に産する。 (→直翅類 )

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小学館の図鑑NEO[新版]昆虫 「ころぎす」の解説

コロギス
学名:Gryllacris japonica

種名 / コロギス
解説 / 夜行性で、樹上にすみます。メスは長い産卵管をもちます。
目名科名 / バッタ目|コロギス科
体の大きさ / 28~32mm
分布 / 本州、四国、九州
成虫出現期 / 7~9月
幼虫の食べ物 / 昆虫など

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