コロンバ(読み)ころんば(その他表記)Colomba

精選版 日本国語大辞典 「コロンバ」の意味・読み・例文・類語

コロンバ

  1. ( 原題[フランス語] Colomba ) 長編小説。メリメ作。一八四〇年発表。コルシカ島舞台に、父親を殺された気性の激しい娘コロンバが、ためらう兄オルソをたきつけて復讐(ふくしゅう)を遂げる物語

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「コロンバ」の意味・わかりやすい解説

コロンバ
ころんば
Colomba

フランスの作家メリメの中編小説。1840年刊。作者のコルシカ旅行の産物というべき作で、土地独特の復讐(ベンデッタ)の風習に取材し、少女のうちに宿るすさまじいまでの復讐(ふくしゅう)の執念を描く。コルシカの名家の娘コロンバは、父を謀殺したのは長年抗争関係にあるバリッチーニ一家と確信し、兄オルソの帰国を待って復讐を敢行しようと企てている。フランス帰りの兄は、確証がない限り血で血を洗う暴挙には同意できぬと説くが、コロンバの努力(ないし策略)によって相手の非が明らかになる。おりから敵(かたき)の家の兄弟の待ち伏せにあったオルソは、傷つきながらも2人を倒し、コロンバの念願は成就する。物語は、コルシカを訪れるイギリス人大佐父娘とオルソの邂逅(かいこう)に始まり、オルソと令嬢の結婚で締めくくられる額縁つきの構成をとる。

[冨永明夫]

『杉捷夫訳『コロンバ』(岩波文庫)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コロンバ」の意味・わかりやすい解説

コロンバ
Columba; Columcille

[生]521頃
[没]597.6.8/9. アイオナ
スコットランドキリスト教化を行なった宣教師アイルランドおよびスコットランドの守護聖人。大コロンバと称される。アイオナ修道院をはじめ多数の修道院を建設。 565年ピクト王の改宗に成功して以来,ゲール人ピクト人ブリトン人の間にキリスト教を通じた友好関係が生れた。

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世界大百科事典(旧版)内のコロンバの言及

【マキ】より

…こうした人びとがしばしば島内のマキに隠れすみ,〈山賊〉化し,19世紀のロマン主義的風潮のなかで,ときに,義賊,英雄のイメージで描かれた。メリメの作品《コロンバ》(1840)や《マテオ・ファルコーネ》(1829)はとくに有名である。 第2次世界大戦においてフランスがドイツの占領下に置かれたとき,占領支配を逃れ,またそれに抵抗した者たちが多く山や森に隠れた。…

※「コロンバ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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