日本大百科全書(ニッポニカ) 「コードウェル」の意味・わかりやすい解説
コードウェル
こーどうぇる
Christopher Caudwell
(1907―1937)
イギリスの批評家。本名クリストファー・セント・ジョン・スプリッグSt. John Sprigg。スペイン内戦において共和政府側の義勇軍に参加して1937年2月12日に29歳で戦死した。マルクス主義の立場にたつ鬼才で、航空術を身につけ、航空雑誌を発刊したり、探偵小説を書くなど多才ぶりを発揮した。代表作は、マルクス主義に立ちながら文化人類学や神話学の知識を投入して、詩の源泉を跡づけようとした批評『幻影と現実』(1937)。ほかに、没後刊行された『没落する文化の研究』(1938)、同続編(1949)、拾遺集『ロマンスとリアリズム』(1970)などがある。
[出淵 博]