コールブルックデール橋(読み)コールブルックデールきょう(その他表記)Coalbrookdale Bridge

改訂新版 世界大百科事典 「コールブルックデール橋」の意味・わかりやすい解説

コールブルックデール橋 (コールブルックデールきょう)
Coalbrookdale Bridge

イギリス,イングランド西部,コールブルックデールの町のセバーン川にかけられた世界最初の鉄(鋳鉄)の橋。1779年完成。現在ではアイアンブリッジ(鉄の橋)と改名されている。それまでの石橋に似た半円形アーチ橋で,全長60m,支間長31m,幅約7mの道路橋である。産業革命さなか,この地は製鉄業の中心地の一つであったが,製鉄用原料の渡船による運送の不便さを解決するため,A.ダービー3世ら地元企業家有志によって架橋が計画され,この橋が建設された。その後いくたびか補修が加えられ,現在でも元の姿を保存し使用されている。
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百科事典マイペディア 「コールブルックデール橋」の意味・わかりやすい解説

コールブルックデール橋【コールブルックデールきょう】

世界最初の鉄橋。1779年英国のセバーン川コールブルックデールCoalbrookdaleにかけられた鋳鉄製の橋で,全長60m,支間長31m。コールブルックデールはA.ダービーが興した18世紀以来の製鉄の町。アイアンブリッジ(鉄の橋)と改名し,現在でも使用されている。1986年世界文化遺産登録
→関連項目ウィルキンソン

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「コールブルックデール橋」の意味・わかりやすい解説

コールブルックデール橋
こーるぶるっくでーるきょう
Coalbrookdale Bridge

イギリスのセバーン川上流のコールブルックデールに架けられた鋳鉄製アーチ橋。世界最初の鉄橋で、1779年に製鉄業者ダービーによって架けられた。現在はザ・アイアン・ブリッジとよばれている。支間約30メートル、使用された鉄の総重量は約380トン。近年、保存のための大改修が行われたが、原形はよく保たれており、橋梁(きょうりょう)技術史上の貴重な遺産となっている。

[堀井健一郎]

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世界大百科事典(旧版)内のコールブルックデール橋の言及

【ウィルキンソン】より

…コークス高炉法,鋳鉄砲の中ぐり法などをくふうし,75年高精度の円筒中ぐり盤を製作,これによるシリンダーの加工によりワットの蒸気機関実用化の道を開いた。彼はこのほか,A.ダービー3世との協力で世界最初の鋳鉄橋(コールブルックデール橋)の架設(1779)にも貢献,また自社製品の河川輸送用に世界最初の鉄船を製作した。【原 善四郎】。…

【橋】より

…棒状部材を組み立てたトラスは,このころイタリアのA.パラディオにより考案されたが,実際に初のトラス橋をつくったのは1757年,スイスの大工グルベンマン兄弟Hans Ulrick & Johannes Grubenmannで,彼らはその後もライン川に支間100mを超す木造トラス橋を架けている。 産業革命を契機として,橋の材料も人工の鉄が大量に使えるようになり,1779年イングランド,セバーン川の上流に世界初の鉄の橋コールブルックデール橋が建設された。支間30.5mのアーチ橋である。…

※「コールブルックデール橋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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