最新 地学事典 「サイクロセム」の解説
サイクロセム
cyclothem
米国の内陸中部・東部のペンシルバニア系(上部石炭系)には比較的小規模の堆積輪廻がよく認められる。このような堆積輪廻の間に堆積した一連の地層をサイクロセムと呼ぶ。J.M.Weller(1932)命名。古くから英国のヨーク州の下部石炭系Yoredale統にも知られており,類似の堆積輪廻層は世界各地の石炭系で,また他の時代の夾炭層にも認められる。米国のイリノイ州西部で模式化された層序は次のとおり。まず下部・上部に二大別される。下部は非海成層からなり,下位から砂岩(下位のサイクロセムを平行不整合に覆う)・砂質頁岩・淡水成石灰岩・下盤粘土・石炭に分けられる。上部は海成層からなり,しばしば最上部で非海成となる。これは下位から頁岩(一部非海成)・泥質石灰岩・ラミナが発達した頁岩・石灰岩・頁岩(最上部では砂質)に分けられる。カンザス・ミズーリ州では100回以上の重なりで850m以上の厚さに達する。さらに,非海成層に富むサイクロセムから海成層に富むサイクロセムへと移るような数個のサイクロセムの累重からなる大規模の堆積輪廻層も認められ,これをメガサイクロセム(megacyclothem)と呼ぶ。成因として,地盤の沈降,海水準変動,気候変化,デルタの消長などが挙げられてきたが,まだ定説はない。参考文献:J.M.Weller(1932) Bull.Geol.Soc.Am., Vol.43
執筆者:田中 啓策
参照項目:堆積輪廻
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

