ある地域で一定の岩相や層序をもった地層が繰り返してみられることがあり、これらのうちで比較的まとまった厚さの地層の繰り返しを堆積輪廻とよぶ。砂岩泥岩互層のように単層の単位でリズミカルに地層が繰り返す場合は堆積輪廻とは区別される。
堆積輪廻は海水準の周期的変動や、隆起・沈降を繰り返す地殻変動などを原因として形成される。たとえば、海岸付近で礫(れき)岩・砂岩などの粗粒岩が堆積したあとに海水準が上昇し、海岸線がより陸域に移動する(海進)と、粗粒岩の堆積場も移動する。そして最初に粗粒岩が堆積した場は、より沖合いの砂岩・泥岩などの細粒岩が堆積する。その後、海水準が下降し海退がおこった場合、細粒岩の上に粗粒岩が堆積する。つまり、一組みの海進・海退によって、地層は粗粒岩から細粒岩、そして粗粒岩へと変化することになる。一方このとき、より陸域では陸成層、海成粗粒岩、陸成層の堆積輪廻がみられるが、より沖合い域では粗粒岩が到達しないために堆積輪廻を認められないことがある。このようにして堆積輪廻が形成されるが、粗粒岩はかならずしも沿岸域で堆積するとは限らないし、同様に細粒岩も沿岸域で堆積することがあるので、海進・海退による堆積輪廻を確認するには、砕屑(さいせつ)物の粒度だけでなく古生物学的証拠も必要となる。
堆積輪廻の小規模なものとして、炭田地域でみられるサイクロセムcyclothemとよばれる地層がある。これはある一定の層序をもった非海成層と海成層の一組みであり、堆積盆の上昇・沈降または海進・海退によって形成されると考えられている。
[村田明広]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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