さかなクン(読み)さかなくん

知恵蔵 「さかなクン」の解説

さかなクン

魚の生態に詳しいタレントでイラストレーター。トレードマークのハコフグ帽子をかぶり、豊富な知識と経験に基づく分かりやすい説明で魚の魅力を伝え、子どもを中心に人気がある。2006年から東京海洋大客員准教授を務め、10年には秋田県の田沢湖にかつて生息した絶滅種の淡水魚クニマスの再発見にも貢献した。環境省の「地球いきもの応援団」メンバー、農林水産省の「お魚大使」も務める。本名は宮澤正之。東京都出身。
子どもの頃、墨を吐くタコに興味を持ったのをきっかけに魚全般が好きになったといい、10代でテレビ番組「TVチャンピオン」の「全国魚通選手権」に出場して5連覇。01年1月に「どうぶつ奇想天外!」の出題者・解説者としてテレビ番組のレギュラーに。クイズを交えて子どもの興味を引き出しながら、魚の不思議な生態や自然環境への理解を深めるようなイベントや講演の他、雑誌への連載など執筆活動も行っている。イラストを描きながら独特の口調と高い声で解説する姿からは、魚への興味と愛情があふれる。各地の漁業関係者や魚類研究者と交流があり、魚の生態から魚料理まで水辺生物に関する幅広い知識を持つ。
京都大総合博物館の中坊徹次教授らの調査グループによる約70年ぶりのクニマスの確認は、さかなクンが中坊教授に標本しか残っていないクニマスの絵を描くことを依頼され、参考にしようと良く似たヒメマスを取り寄せたのが発端山梨県西湖から送られてきた中に黒っぽい魚があり、その後の分析結果、クニマスであることが確認された。

(原田英美  ライター / 2011年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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