田沢湖(読み)タザワコ

デジタル大辞泉 「田沢湖」の意味・読み・例文・類語

たざわ‐こ〔たざは‐〕【田沢湖】

秋田県中東部にあるカルデラ湖。面積25.5平方キロメートル。最大深度は423.4メートルで日本第1位。

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共同通信ニュース用語解説 「田沢湖」の解説

田沢湖

秋田県仙北市にある淡水湖。面積は約26平方キロメートルで、火山活動に伴うカルデラ湖との説があるが、まだ十分な裏付けはない。かつては北海道の摩周湖に次ぐ透明度があり、固有種のクニマスなど多数の生物がすむ湖だったが、1940年代からの水質悪化で多くが死滅したとされる。クニマスは2010年、山梨県の西湖で約70年ぶりに生息を確認。東京海洋大客員准教授の「さかなクン」らが発見に協力したことや、天皇陛下がクニマスを「奇跡のうお」と呼んだのが話題となった。

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精選版 日本国語大辞典 「田沢湖」の意味・読み・例文・類語

たざわ‐こたざは‥【田沢湖】

  1. 秋田県中東部、奥羽山脈中にある湖。田沢火山の陥没による陥没カルデラ湖。標高二四九メートルにあり、最大水深は四二三メートルで日本で最も深い。貧栄養湖。透明度は七・二メートル。面積二五・八平方キロメートル。

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日本歴史地名大系 「田沢湖」の解説

田沢湖
たざわこ

東岸は田沢湖町、西岸は西木村に属する。那須火山帯のカルデラ湖で、周囲に標高五〇〇メートルほどの外輪山があり、水面標高二四九メートル、最深は四二三メートルで日本で最も深く、透明度は摩周湖に次ぐ。直径六キロのほぼ円形で面積は二五・五平方キロ。正保四年(一六四七)の出羽一国絵図に田沢池とある。

明和六年(一七六九)益戸滄洲が田沢湖探勝の「問槎紀行」を著して以後文人たちにより槎湖うきぎのかた・漢槎湖とも書かれるが、滄洲の命名と考えられる。

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改訂新版 世界大百科事典 「田沢湖」の意味・わかりやすい解説

田沢湖 (たざわこ)

秋田県東部の陥没カルデラ湖。ほぼ円形をなし,直径約6km,周囲20km,面積25.5km2,水面の標高は249m。最大深度の423.4mは日本一。東岸の春山付近は遠浅の砂浜であるが,北岸の御座の石直下は高さ25mに達する断崖である。一般に湖岸から1km前後で深度400mに達し,急に深まるが,湖盆中央は広い平たん面で,湖底南西端に水深29mの辰子堆,中央部北西に水深253mの振興堆の小丘があり,後者は火口丘といわれる。典型的貧栄養湖で透明度は大きく,1931年の観測では最大透明度33mで,摩周湖に次ぐ日本第2位を記録した。湖水は西岸の潟尻より潟尻川となって流出するが,水位の年間変化は1m程度で,冬季も凍結しない。40年以降は,酸性の強い玉川毒水の希釈,電源開発,国営開拓などの多目的調整池として利用され,玉川河水を下田沢地区より引水,湖水の一部を南東岸より生保内(おぼない)発電所に流下させた。このため湖水はpH4.6程度となり,水位も著しく低下した。田沢カルデラの外輪山は,南西の院内岳(751m)以外はおおむね500m前後で,湖面との比高は小さく,曲線的な稜線とあいまって女性的景観を呈する。かつてはクニマスなどが生息し,漁業も行われたが,毒水注入後,魚類はいったんは絶滅,玉川上流の毒水希釈作業の進展に伴い,今はウグイ,イワナ類が生息している。抱返(だきがえり)渓谷とともに県立自然公園に指定され,田沢湖有料道路(現在は無料開放)が整備されてからは観光施設も整い,観光客も増加した。別名辰子潟の由来を伝える湖水の主,美少女辰子姫の伝説が残るが,辰子姫は現在,御座の石神社にまつられ,潟尻には〈たつこの像〉がある。秋田新幹線田沢湖線)田沢湖駅からバスが通じる。
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田沢湖(旧町) (たざわこ)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「田沢湖」の意味・わかりやすい解説

田沢湖(湖)
たざわこ

秋田県中東部にある湖。田沢火山の陥没によって生じたカルデラ湖といわれる。東西約6キロメートル、南北約5.8キロメートルの円形をなし、面積25.8平方キロメートル、周囲20キロメートル。最大深度は423.4メートルで日本最深の湖である。湖水の透明度は最大値33メートルを記録しており、湖水の色はフォーレルⅠ~Ⅱで美しい藍(あい)色を呈する。湖は円筒状で、水面から400メートルまでは急崖(きゅうがい)をなし、湖底は海面下173メートルに達する。湖岸は単調で、部分的に小規模の沖積平野がある。流入河川はなく、湖底の湧水(ゆうすい)が多い。西部の潟尻(かたじり)と北部の相内(あいない)潟から檜木内(ひのきない)川へ排水している。1940年(昭和15)水力発電所建設の際、湖の水位を調節するために玉川の強酸性の水を導入し生物は姿を消した。しかし、近年、水の中和法が試みられ、1991年(平成3)玉川酸性水中和処理施設が本運転を開始、魚影もみられるようになった。かつて鱒(ます)漁に使用された丸木舟は、国の重要有形民俗文化財として田沢湖郷土史料館に保存される。

 湖岸には一大凝灰岩盤の突出した御座石(ござのいし)、伝説の辰子(たつこ)姫の像などがあり、田沢湖抱返(だきがえ)り県立自然公園になっている。湖一周の定期バスがあり、東岸の白浜からは冬期をのぞき湖上一周の遊覧船も発着する。

[宮崎禮次郎]



田沢湖(旧町名)
たざわこ

秋田県中東部、仙北郡(せんぼくぐん)にあった旧町名(田沢湖町(まち))。現在は、仙北市の東半分を占める地域。旧田沢湖町は、1956年(昭和31)生保内(おぼない)町と神代(じんだい)、田沢の2村が合併して成立。2005年(平成17)角館町(かくのだてまち)、西木村と合併して市制施行、仙北市となった。JR田沢湖線(秋田新幹線)、国道46号、341号が通じる。中世は戸沢氏の支配下、江戸時代は秋田藩佐竹北家の管轄下にあった。東部は駒ヶ岳(こまがたけ)など奥羽山脈の山々で、田沢湖の東部を南流する玉川流域にわずかに耕地が開けるが、地域の大部分は山地である。豪雪地帯で、豊富な水を利用して水力発電所が各所にある。林業への依存度が高く、木材のほか、シイタケ、ナメコ、クリ、山菜を特産する。北東部は十和田八幡平(はちまんたい)国立公園域で乳頭(にゅうとう)温泉郷、田沢湖高原温泉、玉川温泉などがあり、田沢湖、抱返(だきがえり)渓谷は県立自然公園で、観光に力を注いでいる。玉川温泉の北投石は特別天然記念物。農家の草彅(くさなぎ)家住宅は国指定重要文化財。

[宮崎禮次郎]

『『田沢湖町史』(1966・田沢湖町)』『『新田沢湖町史』(1997・田沢湖町)』


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「田沢湖」の意味・わかりやすい解説

田沢湖
たざわこ

秋田県東部,仙北市のほぼ東半分を占める旧町域。田沢湖の東側に位置し,東は岩手県に接する。 1956年生保内町と神代村,田沢村の2村が合体して田沢湖町が発足。 2005年角館町,西木村と合体して仙北市となった。中心集落の生保内は江戸時代に番所が置かれ,秋田藩盛岡藩を結ぶ交通の要地として繁栄した。県内における重要な電源地帯で,森林資源にも恵まれ,大規模なブナ製材所など木工場も多い。十和田八幡平国立公園田沢湖抱返り県立自然公園に属し,田沢湖をはじめ玉川ダムによりできた宝仙湖,駒ヶ岳 (1637m) ,田沢湖高原乳頭温泉郷玉川温泉など観光地が多い。玉川温泉の北投石は国の特別天然記念物,駒ヶ岳の高山植物帯は国の天然記念物にそれぞれ指定されている。

田沢湖
たざわこ

秋田県東部,奥羽山脈にある湖。仙北市のほぼ中央に位置する。那須火山帯系の火山の陥没によって生じたカルデラ湖。面積 25.8km2。周囲 20km,水面標高 249m。最大水深 423mで深さは日本第1位。透明度は 1930年代には 33mで日本有数を誇ったが,汚染により著しく低下した。典型的な酸栄養湖で,魚類は少なく,カルデラ特有のほぼ円形状を示す。流入河川がほとんどないにもかかわらず,多量の水をたたえているのは,湖底の湧水が多いためといわれる。西方にある排水口,潟尻川は 1940年生保内発電所の操業のため閉め切られた。このとき発電用に強酸性の玉川の水を田沢湖に流入させたため,固有種のクニマスなどの魚類が死滅した。周辺一帯は秋田県の主要な電源地帯。湖畔には白浜,御座ノ石,田子ノ木などの景勝地があり,仙北市南東部の抱返り渓谷とともに田沢湖抱返り県立自然公園に属する。

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百科事典マイペディア 「田沢湖」の意味・わかりやすい解説

田沢湖[町]【たざわこ】

秋田県東部,仙北郡の旧町。玉川流域を占め,西部に田沢湖,東部の岩手県境に八幡平(はちまんたい),駒ヶ岳がそびえる。林産資源に富み,秋田新幹線(田沢湖線),国道46号線に沿う中心の生保内(おぼない)に製材・木工工場が多い。玉川温泉,乳頭温泉郷があり,十和田八幡平国立公園の登山・観光基地である。2005年9月,仙北郡角館町,西木村と合併し市制,仙北市となる。672.06km2。1万2714人(2003)。

田沢湖【たざわこ】

秋田県東部にある円形のカルデラ湖。標高249m,面積25.75km2,最深423.4m(日本1位)。濃藍色で透明度7.2m。急な側壁と平たんな湖底からなる桶(おけ)状の湖盆形態を呈し,流入河川はないが,1940年以来発電の目的で強酸性の玉川の水が導入されたため,水位,水質の変化が著しい。湖岸はキャンプ適地で,東部に十和田八幡平(はちまんたい)国立公園に属する田沢湖高原が広がる。江戸時代の正保出羽国絵図に田沢沼とあり,国鱒漁が行われていた。またタツ子姫とよばれる竜神伝説がある。
→関連項目カルデラ湖田沢湖[町]

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事典・日本の観光資源 「田沢湖」の解説

田沢湖

(秋田県仙北市)
日本百景」指定の観光名所。

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